「ノンケのつくった出し過ぎ映画」湖の見知らぬ男 ふくすけさんの映画レビュー(感想・評価)
ノンケのつくった出し過ぎ映画
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最初から最後まで少しもエロくなかった。
役者も魅力的でなかった。
多分、これが肝だ。
むしろ、あの腹ボテのアンリが実は一番魅力的な人間として描かれる。
アンリはミシェルに、声掛けして殺されるが、そもそも人生に絶望していたことが最後に示される。
フランクとアンリが互いに近づくのは、「死への渇望」の共通項の故かもと思った。
そう考えるとフランクが、ミシェルの殺人を目撃した後で、ミシェルに近づくのも分からないではない。
全体に、陽の光は暗く陰鬱である。
ここはハッテン場という特殊な世界ではなく、実は彼らにとっての日常なのではないか。
勃起も、射精も、フェラ◯オも、男性器もうんざりするほど開陳されるが、むしろエロチシズムを減衰させるための演出とさえ思える。
多分、ミシェルはフランクを殺す。
あのままフランクをそのままにして帰れるはずがない。
最後の数十秒のフランクの肩だけがようやく見える暗闇が絶品であった。
アンリの最後の「これでよかった」の言葉は本音と思いたい。
フランクは恐怖の中にいる。
彼はまだエロスの側にいる。
興味深い映画であったが、さすがに食傷気味であった。
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Freddie3vさんのコメント
2025年7月26日
他の2篇はナチュラル変態が程よくブレンドされてまあまあの出来です。おススメできるか、と訊かれると、うーんとうなってしまいますが、これよりははるかにいいです
Freddie3vさんのコメント
2025年7月26日
共感、コメントありがとうございます。アラン•ギロディ特集、下高井戸シネマでやってるんですね。この監督が描くのはある意味ナチュラルな変態性なのでエロの方向には行かないと思っています。ポルノやAVのエロのほうに行くのは扇情的で後天的なテクニカルな意味での変態性でしょうか?