「タイトルなし(ネタバレ)」湖の見知らぬ男 りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし(ネタバレ)
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ある夏の森に囲まれた湖畔。
そこは、男性ばかりのヌーディストビーチ。
若く地元に暮らす青年フランク(ピエール・ドゥラドンシャン)は、しょっちゅう通っているがお目当ての男性は見つからない。
離れた場所で湖を眺める中年アンリ(パトリック・ダスマサオ)と会話するようになるが、その気にならない。
ある日フランクが目に止めたのは、筋骨発達日焼けのイケメン、ミシェル(クリストフ・パウ)。
が、彼にはパートナーがおり、フランクはミシェルと相手が浅瀬で口論し、相手は湖の中で姿を消してしまったのを遠目から目撃した・・・
といった物語で、男性同士の恋愛やら殺人事件などが起こる映画。
主役の青年が車で訪れるシーンの反復など、淡々とした中にもテンポを感じる演出は好感を持てるが、とにかく裸の男ばかりで、生々しい描写のオンパレード。
タイトルロールの「見知らぬ男」は、主役フランクと会話を重ねる中年男性のアンリ。
湖と隣のビーチを眺めるだけで、積極的に関わらない。
その存在は「神」の暗喩か、はたまた、マイノリティの中のマイノリティか。
この会話のシーンなどもかなり良い。
中盤以降に刑事が登場してサスペンス映画風の雰囲気が高まって来、最終的には宙ぶらりんの結末。
この結末も悪くないが、とにかく描写が生々しく辟易してしまいました。
作家性の強い薔薇族映画といったところか。
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