「決してスルーできない、思わぬ拾いもの傑作青春コメディ」プールサイド・デイズ ぐうたらさんの映画レビュー(感想・評価)
決してスルーできない、思わぬ拾いもの傑作青春コメディ
米国でヒットした青春コメディ。スティーヴ・カレルとトニ・コレットという「リトル・ミス・サンシャイン」コンビが共演しつつも、意外な事に彼らはコメディリリーフではなく、主人公の近辺で巻き起こるシリアスな家族ドラマを担う。そこに笑いは少ないが、しかし彼らがきっちり下支えするからこそ、本作は中盤に思い切って逆方向のパラダイスへ舵を切ることができるのだろう。
主人公が足を踏み入れるウォーターパークはクレイジーなキャラクターの宝庫だ。サム・ロックウェルを始めとするスタッフもおかしければ、客もやりたい放題。でもだからこそ主人公はここで彼らと心と心で交流し、自らの殻を思い切り破り捨ててみせる。いわば自分が孵化する瞬間を体感するのだ。「ファミリー・ツリー」の脚本家によるこのさりげない青春コメディのタッチがなんとも絶妙だ。知名度はなくとも、このような作品に出会えた時にこそああ映画っていいなと、心から思える。
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