「すべての登場人物に共感」海を感じる時 Chisaさんの映画レビュー(感想・評価)
すべての登場人物に共感
主題歌: 「泣くかもしれない」
作詞作曲: 下田逸郎
歌: MOTEL(須藤もん&対馬照)
誰にでも愛される女になればなるほど
ダメになってく 私がいて
誰からも嫌われる女になればなるほど
強くなってく 私もいる
あなたどっちが欲しいのか
はっきりしてくれなきゃ
たまらないって呟いて 私
泣くかもしれない
この世になびいて この世に馴染んでいくことを
やらせで出来る 私がいて
あの世に呼ばれて あの世に出かけていくことを
自然に出来る 私もいる
あなたどっちが好きなのか
態度で示さなくちゃ
助けてよって呟いて 私
泣くかもしれない
私を見抜いて体の芯まで抱きしめて
やすらぎくれる あなたがいて
とことん普通の男のポーズで逃げていき
むなしさくれる あなたもいる
私どっちもいらないと
今夜は決めなくちゃ
愛してるって呟いて 私
泣くかもしれない
ひとり 泣くかもしれない
私 泣くかもしれない
↑この曲本当に好き!!なんていい歌詞なんだろうと思う。
もう解散してしまったそうだけど、活動中は路上ライブで道行くOLを泣かせていたとか。
いや泣くわ。夕方路上でこれ聴いたら泣くわ。
最近観た作品の中で、「登場人物に共感したランキング」を作ったらこれがダントツで第一位。
すべての登場人物に共感できるポイントがあった。
主要な登場人物以外、これでもかっていうほど人が出てこない。
恵美子と洋の共通の友達らしき人間も出てこないし、2人が一緒にいるシーンもほぼ無人。
きっといたんだよ。人は。でも見えてなかった。
恋は盲目ですね。視野が狭くなりますもんね。わかりますわかります。
池松壮亮は、MOZU以来比較的ずっと好きなので、今回も素晴らしかったと言い切る。DANGEN.
高校時代、「~だけれど」っていう喋り方、絶対ないだろ!とか思いながら、池松壮亮がやるとなんとなく納得させられる気がするから不思議。
市川由衣は初めて観たけど、常に不貞腐れているようなあの独特な表情が良かった。
恵美子は、洋と一緒にいるときといないときの性格の差が激しくて、まるで別人。
きっとそういうところも、これを観た女性たちの共感を呼んだんじゃないかなと思う。
「常に不貞腐れている女優ランキング」を作ったら今までは仲里依紗と上野樹里がトップ2だった(そしてどっちも全然好きじゃない)けど、今日からは市川由衣推しでいきます。
最後に、恵美子の友達が呻くように呟いた伝説的な台詞を書き残しておくから噛み締めればいいよ。
大切にしてもらうってどういうことなのよ
大切にするとかしてもらうって、わかんないよ
大切にするって、目に見えないものじゃない
結婚とか、形じゃないでしょ
言葉でもないでしょ
感覚だってあてにならない