「ミステリー作品ですよ」サボタージュ つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
ミステリー作品ですよ
この映画は評価に困るね。ストーリーは二転三転して良いが、如何せん作品そのものが余り面白くないのだ。
本作の本当の姿はミステリーサスペンスだと思うが、それをバイオレンスアクション系のテイストで仕上げてしまったのが良くないと思う。
実際、観る前は軽いノリのアクション映画だと思っていたし、途中まではそれで間違いってこともない。
サスペンスアクション作品として面白く、それでいてわかる人にはミステリーとしても良質というのが理想だろうが、そうなると気持ちが高揚するアクションか、黒幕が二転三転する瞬間に対する驚きが必要になってくるが、デヴィッド・エアーという人は、ちょっとジメジメ演出系の監督で、それしか引き出しがないのか本作が目指すべき場所に合っていない。
最初からミステリー作品なんだと肝に命じて観ればスゴく面白いような気もするんだよね。高評価レビューの方々も大体ミステリー部分を褒めているしね。
そうなると、なんとなくアクション映画なのだろうと想起させてしまうアーノルドさんの器用が良くなかったのかな。
政治家を辞めてスクリーン復帰したアーノルドさんが俳優として路線変更を模索し始めた記念すべき作品のような気もするけど、結局ただのアクション俳優に戻ってしまった迷走するアーノルドさんのように、この作品も、アクションなんだかサスペンスなんだかミステリーなんだか、面白いんだか面白くないんだかわからない、迷走したものになった。
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