虐殺器官のレビュー・感想・評価
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ビジュアルを楽しむべき
原作で描かれていた超高度に発達した情報化社会を可視化した点にこのアニメの意義があると思う。残念ながら「虐殺の文法」云々という原作の主題をアニメで表現することには限界がある。その内容があまりに観念的だからだ。登場人物のセリフが説明的になってしまう原因はそこにある。CGを巧みに取り入れた戦闘シーンのカッコよさや、ほとんどFPSと言っていい銃撃シーンの臨場感を楽しむべきだろう。
殺し憎み合う世界と平和な世界は言語で分け能う
タイトル通り人間にはモジュールとして虐殺器官が備わっている、説得力のある虐殺文法という考え方。
恐ろしくなるくらい現実的なSF
テロの恐怖から開放されるために構築された認証世界
サピア=ウォーフの仮説、カフカなど難しい話も。
ノイジーなエンディングがカッコイイ(EGOISTリローデッド)
少年兵が死に人体破壊描写があるのでR指定
説明台詞ばかりで苦行!!
原作者が亡くなっているので仕方ないですが、2017年にもなると偽旗テロやクライシス・アクター等の概念が一般的になり、ISISはアメリカ政府とイスラエル政府で育てたように、テロは政府や国際金融資本の自作自演だと明らかになっているので、ジョン・ポール一個人が行っているというお話はしっくり来ませんでした。虐殺「器官」というアイデア自体は面白いと思いましたが、劇中では「文法」とも言っているので暗示のようなものでしょうか。震災を経たのに自分さえ良ければ良い、今だけ儲かれば良いという世の中になり、増税連発、タックスヘイブン、内部留保、技能実習生、氷河期棄民等数々の問題が毎日尽きませんが、人間には人間を平気で食らう「器官」が元々備わっているのかも知れません。映画自体は説明台詞ばかりできつかったです。
人類皆幸せは難しい
原作未読で拝見。
世界で内紛、虐殺が続く発展途上国にはある人物が関わっているのだが、その人物を確保する為に奔走する大尉の物語。
何故ある人物を確保しなければならないのか?から始まる。
シュールで少し内容が難しいアニメのイメージだが、内容は現実的でいつの時代にも問題視されるテーマであり、軸はしっかりしていて分かりやすい内容だった。
アニメでも再現出来る未来兵器も出てきましたし、見る価値はあります。
面白かったですが、シェパードとポールの間にあった言葉で人を操れるな的「文法」を最後の裁判で有効活用されるのかと思いきや、何も無かったのが残念なので減点。
ただのスパイスだったのかと。。(最初に死んだ同僚が報われん。)
あと、ルツィア(女性)の出番の少なさかな、、、。
生きやすい世の中だからこそ観て考える事が出来る良作アニメでした。
そんなに難しい事を言っているわけではなかったと思うのですが、文字と...
凡庸な悪
結果として「こんなことはもうたくさんだ」としてそのために憎しみや貧困に覆われた世界を切り離す作業、ある点ではナチス・ドイツ級の括弧付きのモラーリッシュな使命として'虐殺'の文法を埋め込むジョンはハラペーニョピザを注文し、自分の妻や子どもたちに世界の現実など知らなくてもいいとする立場と共犯関係にある。しかし、彼らの生活はその憎しみや貧困の上に成り立っているのであり、おそらくこの世界は不調和に覆われるだろうが解体することはない。
彼は認知する世界のために、多数の世界を犠牲にするのである。
その上でこの映画のラストは原作と映画が逆転しているーと感じた。映画は世界的な希望を残した。シェパードは告発することを選んだのである。ハラペーニョピザを注文しあらゆる搾取のもとに成り立つ世界に「これはぼくの物語だ」と宣戦布告した。その上で原作はもっと個人的な希望であったと感じる。でも前作映画「ハーモニー」と、これでは接続しないのでは?
視聴後、面白くて小説を買った
そんなに精神にはこなかった
殺戮の意味を問う
「殺戮」は「平和」への必須事項なのだろうか。
9.11以降、自国のセキュリティを強化するために、自由を無くしたアメリカ。
平和を手に入れるために、確立した世界ははたして正しいと言えるのか…。
アメリカの平和が保たれる中、後進諸国での戦争が激化していく世界。
戦争を裏で操っている黒幕ジョンポールは、「虐殺文法」を使って、人々の言語から殺戮の力を見出そうとしていた。
全てはアメリカを守るため。
後進国で「虐殺文法」を活用して内戦を引き起こせば、アメリカに憎悪が向かないだろうと考えていたジョンポール。
しかし、犠牲者を出すことでしか平和を作り出せない世の中は、正しいと言えるのか…!
先進国は全てをうやむやにし、今ある安定の生活を維持しようとしているだけだと悟ったジョンポールは、降伏し「虐殺文法」の危険を訴えようとする…。
ハリボテの「平和」。
そのに存在するのは、身勝手な大人達が作り出した偽物の世界のみが広がっている。
自国が幸せであれば、他国どんなに犠牲となっても許されてしまうのか。
虐殺を繰り返すことで手に入れる平和には、悲しみと苦しみしか見えてこない…。
難民受け入れを拒否する、現在のトランプ政権を風刺したような作品に鳥肌が立つ。
映画が延期されたことは、偶然だったのか、必然だったのか。
それを加味するにしても、この作品は今この時期にこそ、公開されるべきものであると感じる。
伊藤計劃への追悼作品としてふさわしい、最終作だった。
奥が深い…!!
ずっと前に原作を読んだのに
数年に1作の良映画
公開に感謝
期待通り。
原作未読でも楽しめた。
原作は読まずに見た方が良いと思う。
難しくて深い。人間の本質的な残虐性に迫る異色作。
【賛否両論チェック】
賛:人間の残虐性を〝器官”と定義づける領域にまで掘り下げた価値観を持つ宿敵と、その殺戮本能の本質へと迫ろうとする主人公との対比が印象深い。内向きな管理社会への問題提起も垣間見える。
否:会話がかなり小説チックで、かつ難解なので、結構違和感を覚える。グロシーンもかなり多め。
“人間の持つ残虐性”を扱う作品は結構ありますが、ここまで本質を深く掘り下げて、“人間には虐殺を司る、いわば「器官」がある”という理論にまで昇華した作品は、かなり特異な印象です。それほどまでに人類にとって、“殺戮本能”というものが抗えないものだという、一種の虚しさが漂います。
同時に、そうした本能を前に先進国が選んだ、“自由の幅を制限してでも、徹底的に管理された社会によって、自国民の安全を確保する”という内向きな姿勢へのアンチテーゼも垣間見えます。その辺りは「スノーデン」にも通じるものがありそうですね。
語られる内容はかなり難解で、グロシーンも沢山ありますので、好みは分かれそうですが、気になった方は是非。
公開されて良かった‼
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