「話は興味深いが不満な部分が」虐殺器官 nakadakanさんの映画レビュー(感想・評価)
話は興味深いが不満な部分が
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原作未読です。
実在の虐殺事件に言及したり、紛争地域と先進国、良心や自由の概念などについて考えさせられる、興味深いストーリーでした。
言語文法に関することや、兵士の脳波調整に痛覚マスキングといったSF設定も面白いと思いました。
とは言え、説明的な台詞や自分語りが多いように感じました。
やはり原作を端折って説明している感があります。
クライマックスも、メロドラマのような雰囲気で丁寧に語り合う登場人物達には、あまり入り込めませんでした。
主人公が異様にヒロインに執着しているのは、捕らえられた時に刷り込まれた文法が愛情を増幅させるものだったからか、と勝手に解釈をしましたが。
そこは説明が無かったような気がしますが、見落としているのかも知れませんが。
ラストも台詞で語り、結局どうなったのか、分かり難かったです。
やはり、原作を読んだ方が良いのかと。
作画は、アクションシーンなど良く出来ていると思いますが、人物の顔などが安定していないように思いました。
絵柄は綺麗ですが、場面場面でタッチが違うというか。
ヒロインの顔は、当初は美しさが印象的なリアルなタッチで好みの絵柄でしたが、クライマックスでは違うような。
製作時に困難な状況があったようなので、仕方ないのでしょうか。
少年兵達を撃ち殺す残酷なシーンがありますが、テーマを考えると、ここはもっと細かく残虐に描写する方が良いのではと思いました。
こういうところが、綺麗でスタイリッシュなアニメーションでマスキングされてしまっているように感じます。
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