「繊細な眼球の表情」虐殺器官 ナンドさんの映画レビュー(感想・評価)
繊細な眼球の表情
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原作は既読です。
映画化をとても楽しみにしていました。
主人公の内面描写やラストに関して、映画は原作と異なりましたが、楽しく見ることが出来ました。
映像として一番印象に残ったのは、人物の造形のリアルさでした。特に、目の表情です。
伏せられた豊かな睫毛、間近で覗く目頭の内側の肉など、目のディテールがとても細かく、それぞれの悲しみや緊迫感が画面からよく伝わりました。細い線を積み上げるように描かれた人々は皆、実写とも違い、ストーリーに合っていたと思います。
そして、自分が楽しみにしていたこと、映画化に際して期待していたのは何かと思ったときに、
自分の想像力、読解力では十分に想像できなかった虐殺器官の世界を詳しく見たいという願望がありました。
海苔と呼ばれる最新機、降下していく棺桶、奈落で踊る若者たち。それらは、映画で叶えられたのではと感じています。
この作品は一時完成を危ぶまれたそうですが、無事公開されて本当に良かったです。
またブルーレイなどになったら見返したいですね。
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