劇場公開日 2017年2月3日

「無事に公開に至って良かった」虐殺器官 ゆずぽんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0無事に公開に至って良かった

2017年2月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

知的

制作会社が倒産になり公開自体が一度は危ぶまれる事態になったが無事に公開まで至り、観に行くことが出来たことにまず感謝したい。

内容的にはとても文学的で、将来こうなるかもしれないという
SFならではな虞を抱かせてくる。文学的な思考、表現をする登場人物が多いため分かりやすい人には分かりやすいが
分かりにくい人には分かりにくい内容かもしれない。

文学作品からの引用や世界情勢等がよく出てくるので
ある程度の背景知識がないと置いていかれる人もいるだろう。
しかし、その分内容にリアリティがあり、気づけば真剣にこちらも
思考しながら魅入ってしまっていた。
見た後は正直疲れた。ずっと思考を続けていたための疲労。
心地よい疲労感に包まれる感じであった。

映像も作画も安定して美しく、戦闘シーンもVRのような感覚で
リアリティがあり緊迫した雰囲気がよく伝わってきた。
演技も素晴らしく、それぞれイメージにとてもあっており安心して終始見ることができた。
演出も申し分ない。

少々残念だったのがエンドロールでのリローデッドの音量が小さく、音質が若干悪く感じられた点。

原作を読んでから再度足を運びたいと思う。

ゆずぽん