「原作ファンには絶対おすすめ」虐殺器官 cheapimitaitonさんの映画レビュー(感想・評価)
原作ファンには絶対おすすめ
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まず、困難を克服して完成に漕ぎつけたスタッフの方々に賞賛と感謝を。
親切な説明はほとんどなく、原作を読んでいないと理解できないのでは、という危惧は残ります。逆に原作のファンは、様々なテクノロジーの精密な映像化に狂喜乱舞することでしょう。
時間の制約からやむを得ぬとは言え、母のいきさつがすべてカットされたこともあり、またルツィアへの贖罪の気持ちも映像だけでは表現できないため、クラヴィスのルツィアへの思い入れが単なる恋愛感情のようにならざるを得ない、その点は少し残念。ウィリアムズの「彼女はファム・ファタールだ」という一言だけで済ませてしまうのはいささか勿体ない。
この映画は、小説への映像的注釈として捉えると、素晴らしい作品です。その意味では、亡き伊藤計劃氏への最高の手向けとなったのではないでしょうか。
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