「私の犯罪計数は021でした。」劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス 幸之助さんの映画レビュー(感想・評価)
私の犯罪計数は021でした。
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槙島聖護、鹿矛囲桐斗、東金朔夜らに比べると、劇場版の黒幕は既存を逸脱しない俗物な人間だった。
真の黒幕が誰なのかという点から言えば、それはシリーズを通しての問題定義になるため割愛。
ストーリーを振り返る。
展開的に読みやすく、テレビ版と比較するとやや歯応えの無さが見受けられた。
ただ二時間という制約を考えると、新たに凝った敵役を出すと話が纏まりきらずそれこそ拍子抜けになる。これを考慮し、シビュラシステムの輸出(シビュラの拡大)というテーマに考えて観ると、十分に楽しめる内容だった。
全体を通すと斬新な展開ではなかったものの、正義を問う解答のない難題を模索していく話としてはまた一歩前進していた。これで充分である。
キャラクターを見る。
狡噛慎也という凝りを残し続けていた常森朱だったが、最後は彼を追うのではなく、事件の終息を目指した。シビュラの真実を秘めたままにしたかった故に、その選択肢しかなかったのかも知れないが、どちらにしても狡噛慎也を追うことを宜野座さんに任せ、彼の進退を他人に委ねた。
結果、狡噛慎也を捕らえなかったが、宜野座さんは彼に引導を渡した。
狡噛慎也はもう出てこないだろう。
彼は新たな自分の居場所を探して生きていくのだろう。
音楽を聴く。
熱いね!
燃えるね!
滾るね!
凛とするエゴだよね!
事件は解決した。
信頼できる仲間もいる。
爆弾を抱えた仲間もいる。
されど狡噛慎也はもう居ない。
それでも彼女は一人重荷を背負い戦い続ける。
今後も彼女が刑事たらんことを。
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