「硝煙に酒とエロスと煙草の煙が漂うルパン」LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標 白波さんの映画レビュー(感想・評価)
硝煙に酒とエロスと煙草の煙が漂うルパン
2014年6月21日劇場鑑賞
TVシリーズ「峰不二子という女」の流れを汲むスピンオフ作品です。
その時のキャラデと作監の小池さんが監督とあって、流れがとても自然でした。
そして今回、実にハードボイルドです。
硝煙に酒とエロスと煙草の煙が漂うルパン、素晴らしいの一言につきます。
原作モンキーパンチの作風を色濃く出して来た今作は、とにかく格好良いのですね。
ショットする所なんてゾクゾクするような演出ですよ。
シリーズを通して次元にフィーチャーした回は必ずハードボイルドな話になりますが、今作はそれの1~2を争うような出来でした。
こうした1stルパンの匂いがする作風、やっぱり良いですね。
それでいて監督の新しい試みもあって、二人の衣装が今迄に無いテイストになってます。あまり違和感無かったですけど、ルパンのジャケットなんて青ですからね。
音楽も大野雄二のような深さではないものの、なかなかにあってましたよ。
逆に今迄のサウンドに寄せない様にしたのが良かったんですかね。
なんといっても、そのタイトルにもあるように特筆すべきはやはり次元です。
とにかく声優小林清志の渋みがすごい。 ストーリーも相まっていつもの3倍は格好良いですよ。
81歳の御大ですが、まだまだ魅せてくれます。
また今回、ルパン役のクリカンも結構良いんですね。
TV映画「バーンノーティス」の時から思っていたんですが、クリカンはルパンのおちゃらけた演技より、少し渋みのある演技の方が自然な気がするんです。 (まぁモノマネ出身の人にこんな事言っては身も蓋もないとは思うのですが…)
話は腕利きの殺し屋との対決を中心に、ルパンと次元が「チーム」から「パートナー」となっていく過程が描かれています。
そしてラスト、スタッフロールの後には凄いゲストが現れるんです。
この仕込みには本当驚かされました。 是非ご自身の目で確認してほしいものです。
この作品は全国順次上映と特殊な事もあり、なかなか難しいとは思うのですが、足を運ぶ価値は十二分にあります。
シリーズが好きな方は勿論ですが、特に1stルパンが好きな方は絶対観る事をおすすめします。