劇場公開日 2014年6月7日

  • 予告編を見る

「80~90年代の台湾と青春と恋愛」GF*BF バラージさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5 80~90年代の台湾と青春と恋愛

2025年11月25日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

ドキドキ

カワイイ

地元には来ずレンタルDVDで観た。1985年・1990年・1997年という、台湾が戒厳令下から民主化を経て経済成長へと到る時代を背景に、1人の女性と2人の男性の12年に渡る友情と恋愛を2012年の現在から回想して描いた青春恋愛映画。歴史的事件を背景として上手く絡めてあって、あまり知らなかった台湾現代史について興味深く観ながら、「ついにこの時代も“歴史”になったか」と感慨深かった。

1985年といえば僕は中学生で、『プロジェクトA』から『ポリス・ストーリー 香港国際警察』に到るジャッキー・チェンのアクション映画つるべ打ちにノックアウトされていた頃だが、その頃台湾はまだ戒厳令下だったんだなぁとか、ホウ・シャオシェンやエドワード・ヤンの台湾ニューウェーブ映画が公開され始めた少し後の1990年にも、まだ台湾では民主化要求の大規模な学生運動(「野百合学運」または「三月学運」)が行われていたんだとか、あの頃の自分に重ね合わせて思いを馳せてしまった。1997年のシーンで描かれた同性婚も実際にその時代に進んだものだったそうだし、冒頭の2012年での女子高生たちのスカートや長ズボンを脱ぎ捨てて短パンを履こう運動も実際にあった事件をモデルにしているそうだ。

いや~良かった。主演の3人の俳優がとにかく素晴らしい。ジョセフ・チャンとリディアン・ヴォーンもとても良かったが、特にアラサーになっても女子高生を違和感なく演じられるグイ・ルンメイはこの10年前のデビュー作『藍色夏恋』を懐かしく思い出させる好演。もちろん1990年の女子大生役も1997年の社会人役もとても良く、彼女が目当てで観たんだがやはり素晴らしく魅力的だった。

バラージ