「少年は一人前の男(ハンター)になる」ビッグゲーム 大統領と少年ハンター 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
少年は一人前の男(ハンター)になる
大統領がテロリストに狙われるアクション映画の場合、大統領を護るのは、訳アリだがエキスパートなシークレット・サービスか大統領自身か。
本作は意外な人物。
テロリストによってフィンランド上空で撃墜されたエアフォース・ワン。
大統領はポッドに乗って脱出するも、ペンタゴンは居場所は見失ってしまう。
フィンランドの森で孤立する大統領が出会ったのは…
13歳の少年、オスカリ。
代々続くハンター部族の少年で、幼い頃に熊を一人で倒した伝説の父を持つ。
この森で一人前になる儀式を行っていた…。
話の展開は簡単に分かる。
テロリストの追っ手が迫る。大統領という大物狩り(ビッグゲーム)。
低支持率で無能と言われる大統領と、部族や父親から失望視されている少年。
大統領と少年のサバイバル、交流。
そんな中で、少年は…。
ツッコミ所は多々。
何と言うか…お間抜けな大統領と政府高官たち。
テロリストたちも子供に翻弄される。
思わぬ人物が裏切り…って、登場した瞬間にすぐ分かる。ペンタゴン内にもテロリストと内通者が…って、あからさまな描写でこれもすぐ分かる。
フリーザーBOXの中に入って崖下りしたり、ヘリから吊るされたそのフリーザーBOXにしがみ付いたり、湖大爆発などなどなど、大統領と少年で『ダイ・ハード』か『ミッション:インポッシブル』か!…ってぐらいの思わず笑っちゃう大アクション!
それら以前に、そもそもの設定や糸電話…その他諸々。
まあでも、アクションはなかなか見せ場作ってたし、スリルもユーモアもある。
真相は闇の中…。まんまと逃げおおせたテロリストとの内通者=黒幕は現実的。
サミュエルも遂に大統領役。でもやはり、オスカリ役のオンニ・トンミラくん。
体を張ったアクションは勿論、彼が一人前の男(=ハンター)になっていく様は、分かっていても痛快。
少年は、誰にもそう簡単に真似出来ない事をやってのけた。
野暮な事は言わずに、娯楽作として。
ティーン・アクションとして普通に楽しめる。