劇場公開日 2015年10月24日

「ピュアな気持ちだった少年少女に戻れる良作」EARTH TO ECHO アース・トゥ・エコー Cディレクターシネオの最新映画レビューさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ピュアな気持ちだった少年少女に戻れる良作

2016年5月23日
PCから投稿

楽しい

興奮

幸せ

劇場で予告編を観て、
面白そうだったので観賞。
TVCMとか一切見なかったけど、
無名の監督と役者で、
あまり宣伝しなかったのかな。

予告がティザーっぽかったので、
勝手に宇宙人のパニック物と思ってたから、
思わぬ拾い物に中盤から顔がほころびました。

大好きな映画の要素がぎっしり。
「スタンド・バイ・ミー」のような、
3人組男子+途中から女子の
1夜の冒険物語なんだけど、
そこに「E.T.」や「スーパー8」のような、
異星人を助けるストーリーが絡んでくるんです。

そんなジュブナイルストーリーだから
既視感は確かにあるけど、
物語の構成が丁寧だし
脚本もいいし、
なにより役者たちが天才的にうまい。
探究心だけで突き進む子供達に、感情移入です。
描かれるテーマも、絆に友情に成長ときたら、
外すわけないですね(笑)

全編にわたってPOV(Point of View Shot)
すなわち
ブレア・ウィッチ・プロジェクトや
クローバーフィールドから流行りだした、
あの主観視点です。
だからリアリティや臨場感がハンパない。
自分も冒険しているように、
ぐんぐん物語に引き込まれていきます。
良かったのは、
今までのPOVはハンディカメラが主だったけど、
GoProやスマホでも常に撮影してるとこ。
こういう今っぽい配慮も、監督はえらいぞ。
けどかなりの手持ち間だから、
苦手な人は気分が悪くなるかも。

VFXもしっかり作りこんであって、
後半はびっくりしました。
そしてエンディングは、
この手の映画で
お約束の清々しい後味です。

誰もが持っていた、
好奇心に溢れていたあの頃。
ピュアな気持ちだった少年少女に戻れる、
良作でした。

Cディレクターシネオの最新映画レビュー