マダム・イン・ニューヨークのレビュー・感想・評価
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新しいことを学んでいく楽しさ
新しいことを学んでいくということは楽しいことなんだよ、
ということをあらためて認識させてくれる映画。
・「May I」というフレーズを習うと、その帰り道に早速みんなでそれを使って楽しく会話。
・フランス人とインド人の主人公の「英語に不慣れな二人」が、“習った英語”を駆使してなんとかコミュニケーションをとろうとする。
・「entrepreneur (企業家)」「judgemental(決めつける)」など単語に興味を持つ。
などなど。。
劇中の言葉、
「快感と成長は、いつだって新しいことをした後に手に入る。」
それが画面からあふれ出していました。
月並みですが、私も一度は投げ出した英語を学んでみたくなりました。
もちろん今度はこのように“楽しく学ぶ”つもり。
インド人男性の理想の女性像を表現?
「良妻賢母で美しすぎる主人公」
家族の幸せを最優先する女性主人公シャシ。良妻賢母であり、夫に逆らうこともない。さらに、その美しさは群を抜いており、サリーをまとった姿は一層際立つ。男性観客は瞬く間にシャシに心を奪われるだろう。ただし、英語が苦手という欠点を抱えている。しかし、この欠点がなければ女性観客の嫉妬を招くだろう。そんなシャシが一人でニューヨークに行き、その苦手を克服するという設定は、やや強引さを感じさせる。姉の結婚準備を手伝うためという理由だが、家庭がある身で4週間も前から到着する必要があるとは思えない。
「サラダボウルの英語学校」
フランス人男性がシャシに一目惚れし、意欲はあるが疲れて寝てしまうヒスパニック女性、無口なアフリカ人のほか、中国人女性、そしておしゃべり好きでムードメーカーのパキスタン人男性が集う英語学校。さらに、担当教師はゲイというキャラクター設定も加わる。多様な背景を持つ彼らが同じ目標に向かい、次第に一体感を形成していく姿に観客は自然と共感し、応援したくなる。インドと対立するパキスタン人をしっかり含めたキャスティングには、平和を願う監督の思いが込められているように見える。
「お互いを尊重し合うことが平和の鍵」
家族、社会、国家間といったあらゆる関係において、違いを理解し、尊重し合うことが平和の鍵となる。主人公シャシはそれを体現する存在だ。しかし、英語習得を巡る展開は、笑えるほど無理矢理潰そうとし、はたまた大胆にその機会を創出する。インド映画の展開に馴染みがなくとも、大ヒット作『RRR』の強引さとどこか通じるものを感じる。英語を話せるようになる以前に、他者を認め尊重しようとする姿勢を持つ主人公は、すでに国際的な交流に必要な資質を備えている。彼女のような美しさと温かみを持つインド人女性が世界中を席巻すればたちまち世界中がインドの味方になってしまいそうだ。
「世界に存在感を高めるインド人にとっての新しい理想の女性像」
女性の人権問題が指摘されることの多いインドにおいて、若い人妻が一人で男性もいる英会話学校に通うという設定は、一見何気ないようで実は非常に進歩的な描写だ。保守的な価値観を守りつつ、これくらいの冒険を許容することが、女性の人権解放の第一歩になるとインド人男性に提案しているように映る。しかし、この理想像が依然として男性にとって都合の良いものであることは否めない。この矛盾に気づくのは筆者だけではないだろう。
美しすぎるインド人ママの行動力、見習いたい。
インド社会の抱える問題が垣間見える作品
私はインドに行ったことも、インドの友人がいるワケでもありません。
単に本作を見た範囲での印象です。
主人公は英語が出来ないことで、娘から「軽く」扱われる。
主人公の家というか夫は裕福そうだ。で、作中のセリフでも「一目惚れ」で主人公と結婚。つまり主人公は裕福な階級ではないのだろう。
で、子どもたちには高い教育を受けさせており、それは「英語」が基本なのだろう(だから教師はヒンディー語が苦手)
つまり、乱暴な区別をすれば、英語の可否で階級の上下の基準となっている、ということ。
富裕層の意識がある娘にとって、英語の出来ない、つまり「下級の」母親は「恥ずかしい」存在、と。
さらに夫からは、「お菓子を作っていればいい」という「褒め言葉」のつもりでも、「それしか取り柄のない女」扱いされ凹む。
(米国ヒラリー夫人が大統領選挙時に、「クッキーを焼いてる女じゃない」旨の発言をして顰蹙を買ったことを思い出す)
これは、単に英語を学ぶ機会が無かったのか、それとも(女子教育の軽視など)「あえて」その機会を作らなかった可能性もある。
(女子教育の軽視は、日本でもしばしば問題にされる)
本作は、英語を勉強し、自信を取り戻すロードムービーとも言える。
(複数の公用語があるインドならでは、とも思うが、例えば日本でも、方言のキツい地域では、標準語が使える子どもから見て、キツい方言しか使えない親、祖父母を恥ずかしく、疎ましく思えたりするのではないだろうか?)
後味の良い映画ですよ!
何よりも主役のシャシを演じるシュリデビの美しさ!!
ふとした時の表情が少女の様に清潔で可憐なのに
子供っぽくなくて美しい。
こんなに容姿に惹かれた女優さんは私的にはヘプバーン以来だと思う
前半にとても丁寧にシャシの日常が描かれている。
良いお母さんであり、お姑さんにも、旦那にも丁寧に接して
ちゃんとお得意さんがいるくらいのインド菓子の名人。
何が文句あるんだ!!と言うくらいパーフェクトな嫁の
たった1つの楽しみのお菓子作りを止めろ!と言う旦那なんか
その時点でダメダメなのに、なんとこの素敵な奥さんは
自分の事を英語も喋れない古風な女で良かったの?と
旦那に訊いたりする。
旦那は「一目惚れだからそんな事考える暇もなかった」と答える。
えっ、顔に惚れたのかい!!
英語が喋れない事を娘と一緒にバカにしたり、
事ある毎に料理しか出来ないなんてシャシを見下す旦那は
実は一番古くさい男尊女卑おとこなのだ!
そんなシャシがニューヨークで必要に迫られて英語教室に入る。
この教室のシーンが良い!
私も大人になってから必要に迫られて社会人教室に通った経験がある。
学生時代と違って同じ目的を持った大人が利害関係もなく、
出来ない事を恥ずかしいと思わず、
一から何かを勉強する楽しさと吸収力は半端ない。
だから皆で助け合って英語を勉強するシーンをインド映画らしく
楽しいミュージカル仕立てにしてありとても観易い。
そして、その中で親しくなったフランス人男性とのふれあいも
フランス映画なら小粋なロマンスにしてしまう所が
そこはやはりインド映画であり真面目な主婦の物語である。
簡単に靡いたりしないし、必要以上に接近してくる彼に
私は主婦だから!ときっぱり言い放つ態度も素敵。
ただ、彼の存在がシャシに自信を取り戻させてくれた事には
素直に感謝してみせる。
こういう所が、見た目は可憐で少女のようだけど、
心は成熟した大人なんだな〜と感じさせてくれる。
そしてその分別が表れるのが最後のスピーチ。
そのスピーチの中で、男尊女卑旦那を必要以上に責める訳でもなく、
生意気盛りの小太り娘を頭ごなしに叱りつける訳でもなく、
穏やかな語り口と言葉で、夫婦はお互いに平等であり
家族こそが一番の味方であるべきだ!と訴える。
そして、旦那の小さな心使いにも感謝の笑顔を観せる。
とても後味の良いさわやかな映画だった!
以前はアメリカ映画にも女性が男社会で成長する作品が多かったけど
今はアメリカも女性の方が強いのでこの手の映画がめっきり減ってしまった。
ただ、日本はまだまだ女性の地位が低いので
今時のアメリカ映画より、このインド映画の方が共感出来ると思う。
インドでこういう映画が大ヒットしていると言う事は
有る有る!なんて共感しているうちに、
日本の女性の地位はインドにも抜かれちゃうんじゃないだろうか?
と不安になったりして…。
はじめに言葉ありき
妻として母としてより、1人の人間として認められたい
そんな悲痛な叫びが聞こえて来る映画でした。
2024年度の統計で、インドのジェンダーギャップ指数は、
156ヶ国中、129位。
そして日本は156カ国中118位です。
なんとなんと、あまり違わないのです。
でも私の体感的には、身贔屓かもしれないけれど、インドより
日本の方がまだ女性の地位は高い気がしますが、
根拠は全くありません。
《この映画のあらすじは》
英語が得意でない主婦のシャシ(国民的女優のシュリデヴィ)が、
ニューヨークに住む姉の娘(姪)の結婚式の手伝いに単身で渡米する。
ニューヨークでの5週間で英語をマスターするために奮闘する姿を
描きます。
シャシは最初から最後までインドの民族衣装サリーで通しています。
(これは、多分少し時代が前?監督の母親の思い出名のかな?)
(今日日は、旅には洋装でパンツとかジーンズでしょうね。)
自分が夫の庇護のもと、仕事と言えば、ラドゥーという名のインド菓子の
名手で、細々とケイタリングサービスのサイドビジネスをするシャシ。
私が思うにまず見た目から変える。
自分の身なりから変えるべきで、
まず第一にサリーを脱ぎ捨てて、パンツを着るのが先・・・
そんな気がします。
ともかく英語を上手くなるためにシャシは4週間コース400ドルの
英会話教室に通うのです。
そして生徒仲間と打ち解け、特にフランス人のシェフのローランから、
特別に優しくされて、ちょっぴり心を動かしたりします。
でも3週間後には幼い息子と中学生の娘と共に夫がニューヨークに
現れるのです。
英語のレッスンを続けて修了したいシャシは板挟みになり
辛いおもいをします。
キャリアを取るとは、悲しい思いもついて来る。
ここでも《主婦のあるある》
息子がスケボーにぶつけられて、ちょっとした怪我をする。
ここでも側に居なかった自分を責めますし、夫も内心
「何やってるんだ!!主婦が不在で」
となりますよね。
英語教室の修了がそんなに大事なのか?
なんて想ってはダメですよ。
シャシは自分の人生を自分の力で切り開こうとしているのです。
ラストにはインド映画らしい歌と踊りもたっぷりあり、
美しいシュリデヴィさんを堪能出来ます。
インド女性のジェンダー指数の向上は、日本も見習うところは見習って、
せめて20位以内になりたいですね。
埃やゴミが散らかって、洗濯が行き届かなくても、気にしない
そんな太っ腹が女性の側にも必要ですね。
夫も子供も自分のことはじぶんでする。洗濯機を回し、ご飯は
TikTokを見て手早く作る。
まず、皿が割れても、家具が傷ついても、家電が壊れても、
デーンと構えて夫と子供に手伝ってもらうことかな?
結構、女性にも任せる勇気が必要だったり!!
共感
穏当で前向きな映画
最後の主人公のスピーチに、この映画のメッセージが集約されてると思った。
自分が変われば、自分を好きになれるし、世界の見方が変わる。家族や近しい人間を変えようとするのではなく、自分が変わることで、周囲の人間に対する自分の見方を変えることができ、それが結局のところ周りにも影響していく。大体そんなところじゃなかったかな。(違ってたらごめんなさい)
英語の勉強という誰しも身近に感じるものを題材にすることで、インドの保守的な専業主婦のという一見遠く感じるような主人公でも、誰でも共感できる普遍的なテーマをうまく描いているなと思った。
個人的には、展開が穏当すぎて少しばかり退屈に感じる部分もあったけど、それを差し引いても良い映画と思いました。
インド映画にハマるきっかけとなった作品
今から10年前の2014年、映画館で観た作品です。
以来、PK、きっとうまくいく…など、インド映画にたいする偏見を払拭してくれて、色々なインド作品を観るきっかけとなった最初の作品です。
当時50歳とは思えないシュリ・デビの美しさに感動し、その後4年で亡くなるという、まさに美人薄命を体現した、本当に素敵な女優さんでした。日本の少女マンガに出てくるような、目が大きくて、瞳の中で星がキラキラ輝いてるような、そんな素敵な女優さんが、家族に軽んじられる、フツーの専業主婦役なんて違和感はありましたが、ただ年齢を重ねた女性の悲哀は、世界共通なのかなとも思いました。
カナダは移民国家ですが、一番多いと感じるのはインド人で、やはり古いカースト制度から逃れるために留学生としてやってくる人が多い印象です。しかも、ちゃんと公立カレッジに行き、長いワークビザをゲットして知的な職業を目指しています。
この作品のシュリデビの役柄は、自尊心を保つためにニューヨークへ留学する、というチャレンジングな主婦ですが、実際インドの公用語は英語なので、英語ができないインド人は見たことがありません。まぁ、昔のオバさんっていう設定なんでしょうけど。
原題はEnglish Vinglish …。私もたまに発音を聞き直されるJapanglish を話すし、確かにインドや中東の英語はちょっとわかりにくいかな。こないだはフィリピン人の「カーピー、カーピー」っていう英語が分からず、文脈でcoffee のことかとみんなで確認しましたw。
ついこの前までカナダの子どもたちに日本語を教えてましたが、やっぱり語学なんてコツコツやらない子は身につかないし、なんで日本語を学びたいかっていう動機がなければ、学ぶ意欲は生まれないものです。
日本の学生は大学入試のために英語をやらされていますが、やっぱり英語でコミュニケーションを取れるって楽しいな、世界中で共通言語として話されていて、色んな国の人たちと意思が疎通できるのは、素晴らしいなと思えないと意味がないですね。
最近、日本が外国人に荒らされている、というニュースに胸を痛めています。もっと日本の良さを伝えたり、理解してもらいたいのですが、いかんせん日本語は難しすぎて、教えるのが大変です。もっと多くの方に観ていただきたい作品です。
平等と敬意
とってもステキなボリウッド作品でした
主人公役の女優さんがホントきれい、サリー姿もステキ
昔の日本みたいに男尊女卑というインドのイメージですが今作でもそんな感じ
妻はしっかり家事をこなしていたら良いというつまらない夫と、英語を話せない事をバカにする娘、何回もイラッとする序盤でした
そこから、姪の結婚式のために1人でニューヨークに行く主人公シャシ、ワクワクな展開に
英会話学校に通ううちにどんどん明るくなっていくシャシ、もうそのままニューヨークで楽しく過ごしたら良いのにって何回思った事か
一番丸く治まるようなラストだけど、心の狭い私は夫と娘をすんなり許せるかなぁでした
結婚式のシャシのスピーチがとっても良くて感動で涙ポロリでした
家族の中でも「平等」と「敬意」は必要なのです
女性だからとか関係なくやりたい事をやって外の世界にどんどん出るべき
やりたい事を全てやるのは難しい時もあるけど、できる範囲内でやれば人生は楽しいものになるはず
行動的になればこのシャシのように表情まで明るくなって、仲間もできて自分の世界も広がる、自分も常にそうしようと改めて思いました
それにしてもやっぱりフランス男ってなんかステキです
インドの主婦ニューヨークへ行く‼️
ヒンディー語と並び、英語が公用語になりつつあるインドで、英語が苦手なために夫や娘に馬鹿にされているヒロイン‼️ニューヨークに住む姉より、姪が結婚するので早めに手伝いに来てほしいと頼まれる‼️ニューヨークに着いても英語のために苦労するヒロインは、英語教室に通うことに・・・‼️家族の世話をする事、食事を準備するだけの存在みたいな扱いを受けてきたヒロインが、英語をマスターすることで誇りと自信を取り戻す‼️これはサクセスストーリーです‼️同じ教室に通う様々な国籍の生徒さんたちや先生もそれぞれ個性的で魅力的‼️インド映画十八番の歌と踊りのシーンほとんどなく、歌と踊りに頼ってないのも好感持てる作品ですね‼️
とても
インド映画が苦手なかたに。
英語が話せないという、コンプレックスを持った主人公が。
姪っ子の結婚式の準備で、NY滞在中に英会話教室に通う。
ストーリーはそれだけですが。
偶然は必然、いつか学びたいと思っていた。
その一歩を踏むだす様や。
学ぶことで、新しい出会いや扉を開き、気づく。
胸打たれたなあ。わかるわー。
「料理上手なマダム」だけじゃない、他にも天分(才能)がある、かもって。
人と人の間には、教室仲間だけじゃなく家族にも。
「尊敬し合う気持ち」大切、めちゃくちゃ。
インド映画ですが、歌って踊る場面はさほどないし。ほぼ場面はNY。
2時間ちょっとの長さなので、男女問わず機会があれば。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「自分を助ける最大の人は、自分」
必要なのは恋ではなく尊重
インドでそこそこ金持ちな家庭の専業主婦シャシは、国際派ビジネスマンの夫やインターナショナルスクールに通う長女から「英語ができない」ことをバカにされる生活にどこか嫌気していたが、ある日、NYに住む姪の結婚式に呼ばれることになり・・・。
アクション&ダンスがふんだんに盛り込まれるいわゆるインド映画とは異なり、スタイリッシュで情緒的な演出によってミッドライフクライシス真っ只中の熟女の心の動静を描く。
アメリカにひとりで旅行に行くと感じるが、とにかくアメリカ人は「英語を話せるかどうか」を人を見るスクリーニング条件にしている節があり、英語話者以外には冷たいし、場合によっては見下すキライがある。
家族を規定する要素のひとつに「なんの役にも立たない、価値がなくても愛し、愛される」がある。これがないと、生まれたばかりの赤ちゃんや加齢で働けなくなった老人は家族ではいられない。この作品で描かれている「英語」は、国際化が進む社会での「価値」であり、家族内にも「価値」が持ち込まれてしまったふたつのメタファーとして機能する。
多様性に満ちたNYで、伝統的なサリーを身に纏うシャシの美しさゆえに、彼女がこぼす「必要なのは恋ではなく尊重」というセリフが余計に刺さる。
英語勉強しなきゃ、、
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