「インド社会の抱える問題が垣間見える作品」マダム・イン・ニューヨーク みっくさんの映画レビュー(感想・評価)
インド社会の抱える問題が垣間見える作品
私はインドに行ったことも、インドの友人がいるワケでもありません。
単に本作を見た範囲での印象です。
主人公は英語が出来ないことで、娘から「軽く」扱われる。
主人公の家というか夫は裕福そうだ。で、作中のセリフでも「一目惚れ」で主人公と結婚。つまり主人公は裕福な階級ではないのだろう。
で、子どもたちには高い教育を受けさせており、それは「英語」が基本なのだろう(だから教師はヒンディー語が苦手)
つまり、乱暴な区別をすれば、英語の可否で階級の上下の基準となっている、ということ。
富裕層の意識がある娘にとって、英語の出来ない、つまり「下級の」母親は「恥ずかしい」存在、と。
さらに夫からは、「お菓子を作っていればいい」という「褒め言葉」のつもりでも、「それしか取り柄のない女」扱いされ凹む。
(米国ヒラリー夫人が大統領選挙時に、「クッキーを焼いてる女じゃない」旨の発言をして顰蹙を買ったことを思い出す)
これは、単に英語を学ぶ機会が無かったのか、それとも(女子教育の軽視など)「あえて」その機会を作らなかった可能性もある。
(女子教育の軽視は、日本でもしばしば問題にされる)
本作は、英語を勉強し、自信を取り戻すロードムービーとも言える。
(複数の公用語があるインドならでは、とも思うが、例えば日本でも、方言のキツい地域では、標準語が使える子どもから見て、キツい方言しか使えない親、祖父母を恥ずかしく、疎ましく思えたりするのではないだろうか?)
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