劇場公開日 2014年6月28日

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「妻として母としてより、1人の人間として認められたい」マダム・イン・ニューヨーク 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5妻として母としてより、1人の人間として認められたい

2024年7月20日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、VOD

そんな悲痛な叫びが聞こえて来る映画でした。

2024年度の統計で、インドのジェンダーギャップ指数は、
156ヶ国中、129位。
そして日本は156カ国中118位です。
なんとなんと、あまり違わないのです。
でも私の体感的には、身贔屓かもしれないけれど、インドより
日本の方がまだ女性の地位は高い気がしますが、
根拠は全くありません。

《この映画のあらすじは》
英語が得意でない主婦のシャシ(国民的女優のシュリデヴィ)が、
ニューヨークに住む姉の娘(姪)の結婚式の手伝いに単身で渡米する。
ニューヨークでの5週間で英語をマスターするために奮闘する姿を
描きます。

シャシは最初から最後までインドの民族衣装サリーで通しています。
(これは、多分少し時代が前?監督の母親の思い出名のかな?)
(今日日は、旅には洋装でパンツとかジーンズでしょうね。)
自分が夫の庇護のもと、仕事と言えば、ラドゥーという名のインド菓子の
名手で、細々とケイタリングサービスのサイドビジネスをするシャシ。
私が思うにまず見た目から変える。
自分の身なりから変えるべきで、
まず第一にサリーを脱ぎ捨てて、パンツを着るのが先・・・
そんな気がします。

ともかく英語を上手くなるためにシャシは4週間コース400ドルの
英会話教室に通うのです。
そして生徒仲間と打ち解け、特にフランス人のシェフのローランから、
特別に優しくされて、ちょっぴり心を動かしたりします。
でも3週間後には幼い息子と中学生の娘と共に夫がニューヨークに
現れるのです。
英語のレッスンを続けて修了したいシャシは板挟みになり
辛いおもいをします。
キャリアを取るとは、悲しい思いもついて来る。

ここでも《主婦のあるある》
息子がスケボーにぶつけられて、ちょっとした怪我をする。
ここでも側に居なかった自分を責めますし、夫も内心
「何やってるんだ!!主婦が不在で」
となりますよね。
英語教室の修了がそんなに大事なのか?
なんて想ってはダメですよ。
シャシは自分の人生を自分の力で切り開こうとしているのです。

ラストにはインド映画らしい歌と踊りもたっぷりあり、
美しいシュリデヴィさんを堪能出来ます。
インド女性のジェンダー指数の向上は、日本も見習うところは見習って、
せめて20位以内になりたいですね。

埃やゴミが散らかって、洗濯が行き届かなくても、気にしない
そんな太っ腹が女性の側にも必要ですね。
夫も子供も自分のことはじぶんでする。洗濯機を回し、ご飯は
TikTokを見て手早く作る。
まず、皿が割れても、家具が傷ついても、家電が壊れても、
デーンと構えて夫と子供に手伝ってもらうことかな?
結構、女性にも任せる勇気が必要だったり!!

琥珀糖
ゆ~きちさんのコメント
2024年7月20日

さすがレビュー4桁組、お仕事が早くていらっしゃる…。日本や韓国も女性たちの環境は似ていますから、きっと刺さる作品ですよね。琥珀糖さんのレビューが読めて、嬉しいです!
インドのジェンダーギャップ、意外でした。離婚率の低さはトップなんですが、女性が自立できないからなんでしょうか。ちょっと闇を感じますね。だからインドの留学生が多いのかなぁ。

ゆ~きち