劇場公開日 2015年4月24日

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「空虚な安保議論を冷笑する戦争の現実」あの日の声を探して ちんたらさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5空虚な安保議論を冷笑する戦争の現実

2015年5月20日
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鑑賞方法:映画館

チェチェンは、まずテロとの戦いが大義だった。それは、ロシア侵略の口実に過ぎなかったことが、やがて明らかにされたけれど、国際社会は見て見ぬ振りをした。

民族が大国に惨殺されてゆくプロセスを、EU人権委員会の女性を主役に、戦禍に翻弄される準主役の子供を配して、巧みに浮かび上がらせる。

戦争の狂気が次々と刺さるように展開して、目を背けたくなる。

現代の戦争であるこんな局面を、日本そして日本人は想像しただろうか。知ろうともしていなかったと、無知を恥じるほどだ。

ロシアに媚び、ロシアに遠慮してきた日本を静かに告発しているようにも見えた。
子役の帽子に入ったNYの文字が静観し続けるアメリカへの皮肉とも見えた。

役者の演技も素晴らしい。

全編に緊張感あふれる佳作だった。

ちんたら