劇場公開日 2015年3月13日

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「勉強になりました」イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密 harukitaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5勉強になりました

2015年4月7日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

興奮

知的

天才数学者の難しい話かと思っていた。確かに専門的な部分は難しいところもあったが、全体的にはそれほど難しい話ではなかった。

そしてとてもとても面白かった。

戦時中のイギリスが舞台なので自分には遠い話のようにも感じられるが、いやいや本作のアラン・チューリングと言う人は今を生きる全ての人に関わりがあると言っても過言ではないだろう。この人がいなかったら歴史は変わっていたに違いない。

それが本作を観て良くわかった。

そして何より私が感銘を受けたのは、暗号を解読したあと、(仲間の兄が乗った)自国の船が攻撃されると分かりながらもそのまま何も手を打たなかった。あのクダリだ。

正確には何も手を打たなかったのではない。
冷静にこの先の展開や被害の大きさを計算した上での選択である。

実はああいう選択は私が一番苦手とするところなのである。
どうしても目先の情に流されがちで、その先にある被害の大きさに目がいきにくい。
そしてそれは日本の映画にも言えることである。

救助隊員がファイト一発ヨロシク目前の被害者に拘ったために被害を大きくし、挙げ句に隊員自ら救助されると言うような話は邦画のヒット作で観たことがある。

もしかすると日本人が一番苦手とする部分なのかもしれない。
しかしそれではいけないのだと本作を観て痛感した次第である。
戦争というのはあくまでも非情なものなのだ。
被害を最小限に抑えるために今何をすべきなのか?
いやいや勉強になりました。

もちろん戦争が無いことが一番ではあるが…。

harukita