「莫大な軍事費あってなせた技」イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密 みゃおぞうさんの映画レビュー(感想・評価)
莫大な軍事費あってなせた技
「数学とコンピューターをやっている人でアラン・チューリングを知らないなんてモグリだ」と旦那が言った。
私は文系なのでまったく知らなかった。
第二次世界大戦中ドイツが使っていた暗号を解読し、
英国を勝利に導き世界大戦を終わらせた天才数学者アラン・チューリングの人生。
理性と知性に満ち溢れた映画だった。
はじまって間もなくセリフ全部が暗号に思えてきた。
言葉とは暗号。
でも人間とコンピューターはまったくちがうものだ。
コンピューターのほうが、どれだけ誠実で真摯で謙虚か。
でも、物質に良いも悪いもない。どう使うか次第だ。
アランは異端だモンスターだと言われまくっていたが、
私にはこんな真っ当な人もなかなかいないと思えた。
アランがゲイだったって?
どうでもいいかな。
それで死期が早まったのは非常にもったいない話だけどそういう時代だから。普遍的なことではない。現代ならあんな扱いは受けない。
今、こうやって居ながらにして存分に遊べているのは、
アラン・チューリングのおかげなんだと。
<戦争観>
戦争とは義理も人情も通用しない世界。
頭脳でいかなければ勝てるわけがない。終われるわけがない。
が、第二次世界戦とはこんなにも計算づくで行われていたのかと愕然とした。
技術のギの字もなかった日本など勝てるわけがない。
事実負けて、アメリカの慈悲あるいは実験によって最短コースで経済大国にまで上り詰めてきたわけだが。
日本はあまりにもラッキーだったとしか言いようがない。
あの戦争で壊滅的被害を受けたにも関わらずここまでの繁栄をみせた国は他にない。
翻って昨今の戦争だが、ただの感情の放出のように見える。
ISISにしろボコ・ハラムにしろ、彼らがコンピューター戦を行っているとは思えない。
人間の原点のような暴れ方だ。
とすると、こちらはどう対抗すべきなのか。
人間という暗号、どこまで読み解けるのか。