「題名は「エニグマ」がよかったな、と。」イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密 rusqueさんの映画レビュー(感想・評価)
題名は「エニグマ」がよかったな、と。
敬遠しがちな緑色の画像と、イミテーションゲーム〜エニグマと天才数学者の秘密〜という面倒臭そうな題名。。。
それを1ステップ乗り越えてぜひ色んな方に一度観て頂きたい。
実話に基づくはなしだが、脚本が秀逸。数学など関係なく分かりやすい内容になっている。
良かった点3つ
1.暗号解読の話と、ソ連の二重スパイがいる事の同時進行。誰がスパイかさぐりながら観れる楽しみがあった。
2.裏で操っている上司の、頭のキレ具合い。唸る物があった。台詞も良い。
3.冒頭シーンからエニグマ解読まではさほどでも無く観ていたが、その後のわずか30分程度の怒涛の展開。尺の使い方にセンスを感じる。
イマイチな点2つ
1.野暮ったいシーンが数ヶ所あり、残念であった。
・ジョーンの家族にアランが説得しに行った時のジョーンの表情がオーバー。
・研究を止められそうになった時の仲間の団結感と音楽が私的には寒い。
・ジョーンの職場仲間の女性のビッチ感がオーバー。
・エニグマ解読直後、僕の兄さんが乗ってる船なんだ&何故助けてはいけないのかの説明(ジョーン)はしなくて良い。分かるから。
その辺り、もう少しだけクールに作ってほしかった。
2.題名も含め、全体の雰囲気や印象が芸術性に欠ける。
主役がカンバーバッチである事が芸術性の集中点のようにも感じる。それ程までに彼は個性的な役者だし、この役に合っている。
それ以外は芸術性の高いシーンが無く、敢えて削ぎ落としているのか、と思うほど。
あと20分長尺にして美しいシーンや、印象的なカットを作り込んで欲しかった。全体的に残る雰囲気が映画として物足りなく、内容が良いだけに勿体無い。
以上
アランは青酸カリを含んだ林檎を食べて死んだという事を記事で読んだが、それは映画内ではなぜ語られなかったのか…
やはりスティーブ・ジョブズのアップルはアランの林檎からきているのだろうか…
鑑賞し終わってもなお広がりを持たせる映画であり、歴史のある意味での中枢部を垣間見せられ、現在までの繋がりを感じさせる良い話だった。
ゾクっとくるよね。