「マイノリティの孤独」イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密 yuitosさんの映画レビュー(感想・評価)
マイノリティの孤独
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スパイものじみた空気感やテンポよく進む話も見やすくて良かった。ただ時間軸が飛ぶのは少し分かりづらいかな。
天才故の孤独や当時禁じられていた同性愛者としてのマイノリティ的心情がよく描かれていたように感じる。
マシンにクリストファーと名付けた事などはフィクションらしい。だが彼の母親に生涯手紙を書き続けた事や日記からもその愛情の大きさが分かる。故にその設定が、早生した愛する級友の魂をそのマシンの中に蘇らせたかったのではないか、最期の時まで初めての理解者とあの頃の手紙の交換を続けていたのではと感じさせ胸を打つ。
作中の、暗号は秘密の言葉じゃなく鍵さえあれば誰でも解ける という言葉。他者と分かり合えない彼の暗号じみた言葉の中にあるものはいたってシンプルで、大好きな人に傍にいて欲しかった。ただそれだけ。ラストシーンで語られる言葉が彼の全てを物語っている様に思う。
死後数十年経ち漸くこの極秘事項が世間に公表されその存在は知られる事となりコンピュータ・人工知能分野開拓での功績や同性愛の名誉を取り戻す事となった。この映画が無ければ歴史の裏で人知られず暗号読解という戦いをして多くの人の命を守った彼を知る事も無かった事を思うと見ることが出来てよかったと思う。
作中では語られないが、彼の人生はポエティックな話は尽きないので調べてみても面白いかも。アップルロゴの噂とか。
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