「やはりフィクションものは、 とてつもなく強い力をもっている。」ビッグ・アイズ 年間100本を劇場で観るシネオさんの映画レビュー(感想・評価)
やはりフィクションものは、 とてつもなく強い力をもっている。
美大時代から、キーン夫妻のことは知っていた。
しかしこんなにも、
理不尽で滑稽なストーリがあったなんて!
実写を撮らせても、さすがのティムバートン。
こういうストーリーは
観客を味方に付けて悪者を徹底的に悪く描きがちだけど、
切なく哀れに描くことで
見事なバランスをとっているのには感心した。
いやいや
マーガレットだって、悪いとこあるじゃんって、
思ってしまったほどだ。(男だからかも)
ティムの世界観は、健在。
オープニングのカラフルで美しい映像から、
全編にわたってアートディレクションはこだわりぬいている。
50年代から始まる、
街並みやファッションやクルマのディテールも完璧で、
それだけでも充分楽しめる。
そしてエンドロールの写真は、
この作品をいっそう感銘深いものにしていた。
もちろん2時間足らずで全てを説明はできないから、
ツジツマは少し置き去りにされるけど。
やはりフィクションものは、
とてつもなく強い力をもっている。
今のところ、今年のフェイバリットです。
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