「あなた またはあなたに憧れたあの子」おとぎ話みたい heyaさんの映画レビュー(感想・評価)
あなた またはあなたに憧れたあの子
家で一人で観ながら私じゃんって苦笑してしまった。痛々しい自意識、自覚のないうぬぼれ、少女って恥ずかしいな、そういう風に見てしまった私はもう少女ではないんだろうなと思う。
あーそうだった、どうしてかわからないけど絶対的な自信に満ち溢れていて、自分が主人公の物語が始まらないわけないと思っていた頃が、確かにあった。上手くいかないわけないと思っていた。気に入らないもの馬鹿にして、私はこんなのとは違うと思っていた。そう思っていることにも無意識的だった。少女の姿がバンド『おとぎ話』の楽曲とともに映し出されていく演出がなんとも胸にくる。
この映画のDVD買って送りつけてやりたい人がたくさんいる。私たちは最強だったんだよ。そういうことを思い出す、眩しくて恥ずかしくて、爽やかに苦々しい作品。かつてのあなた、もしくはあなたに憧れた誰かの物語。だと思う。
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