「星宮いちご完結編」劇場版アイカツ! モチキンさんの映画レビュー(感想・評価)
星宮いちご完結編
本日2回目を鑑賞。
2回も足を運ぶほど素晴らしい内容です。
こんなにアニメ映画で震えたのは劇場版マクロスF以来だ。
タイトル通り、星宮いちごのストーリーの完結編に当たるお話。
1、2期の集大成であるため、まずこれらを見ておかないと話を理解できないだろう。
要するに、完全にファン向けの作品。
ガンダムで言う逆襲のシャアに当たる作品。
知識の浅い幼い女の子が観るにはハードルが高い作品であるというのは念頭に置いてほしい。
2期のラストはツウィングスとダブルエムの戦いが決着し、そのまま新主人公、大空あかりに引き継ぐ形で終わったが、その後日談的な話。
結論を言うと、主人公いちごがトップアイドルになるというかなりスケールのデカい後日談。
おなじみのキャラはもちろん、あんなキャラやこんなキャラまで出てくる。
まさしく「大スター宮いちご祭」、お祭り映画なのである。
だが、ただのお祭り映画ではない。
この映画で最も重要な内容。
それはいちごと、いちごの憧れの先輩、神崎美月との決着である。
最初は美月に憧れてアイドルを始めたいちごが、ついに美月を追い抜こうとしている。
さらに後輩のあかりが2人を客観的に見つめる。
そこにおけるいちごたちの葛藤が本当に泣ける。
アイカツのテーマとも言える「憧れ」と「成長」。
そのテーマの一つの結論が打ち出された作品である。
だからと言って、完全な作品ではない。
尺の関係だろうか、途中のライブシーンはカットされている。
この点は非常に不満だ。
それと、個人的には名曲「SHINING LINE」は最後まで取っておくべきだったと思う。
まさに本作のテーマとぴったりの曲なのに、まさか冒頭で使ってしまうとは。
「Let's アイカツ!」の後に舞台裏の全員が出てきて、復活STAR ANIS with ドリアカ&大空あかりみたいな感じで「SHINING LINE」を歌ってたら、間違いなく僕は号泣していた。
他のファンの人も、少なからずこのシチュエーションを望んでいただろう。
というのを、小さな子供が理解できるわけがない。
一緒に見た5歳の従姉妹は途中で飽きてモゾモゾしていた。
あまりにもテーマが重すぎるのだ。
本来2時間くらいの内容を、子供向けに無理やり90分にしたような印象を受けるが、それでも話の密度が高すぎて付いていけないのである。
可愛いキャラたちが楽しくアイドル活動する画を望む幼女たちからすると、完全に期待外れなのだ。
本作は間違いなく傑作であるが、子供向け映画としては完全に失敗である。
それでも、僕はファンとしてこの作品は傑作だと言い張る。
欲を言えば、円盤でライブシーンをノーカットにした完全版を収録して欲しいと思っているが、本レビューには関係のない話である。
いくつかの不満点を踏まえても十分傑作と言える映画だった。
大空あかりちゃんの今後の活躍に期待。