「逆撫で映画」勝手にしやがれ odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
逆撫で映画
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自堕落な若者へのシンパシー映画なのでしょうか、ヌーベルバーグの代表作として賞賛を受けた映画です。主題の変革の他にもロケ中心、即興演出、ジャンプ編集など意欲的、主人公がカメラ目線で観客に語りかけるなど常識破りがテーマの様です。
こともあろうに主人公は自動車泥棒ばかりか恋人の財布から金をくすねる最低の小悪党、人命の軽視など自己中心的で快楽主義者、そればかりか美男子の代表アラン・ドロンの全否定なのでしょうかジャン=ポール・ベルモンド起用、ボクサー時代に潰したソーセージ鼻の面相と相まって見るに堪えない。それがこともあろうに上品で美人のジーン・セバーグにもてるなんて納得いかずと観ていたら、やはり罰は下ったと言う既定路線。
露悪性が気に入らないとしてもフランソワ・トリュフォーやジャン=リュック・ゴダールの作家性だから致し方ない。古いものに対するレジスタンスはフランスの国民性とでも言えるのだろう。
従来なら日の当たらなかった人物像やタブーへの挑戦的な試みは映画表現の幅を広げハリウッドや日本の映画人にも多大な影響を与えた点では映画史上の金字塔なのでしょう。
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