劇場公開日 2022年4月29日

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「ジーン・セバーグがとにかく美しい」勝手にしやがれ よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0ジーン・セバーグがとにかく美しい

2019年3月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

自動車泥棒のミシェルは逃走中に追ってきた警官をうっかり殺害してパリに舞い戻り、アメリカから来た留学生の恋人パトリシアのアパートに転がり込む。パトリシアはミシェルに妊娠したかも知れないと告げるがミシェルはつれない返事。それでもパトリシアはミシェルに誘われるがまま付き合うが思いつきでミシェルにある罠をしかける。

こちらは『気狂いピエロ』より5年早い1960年の作品で全編モノクロ。ほぼ60年前の作品ですが撮影技法は今でも全然通用する先鋭的なもの。特に登場人物の周りをグルグル回るカメラ撮影は当時相当に難易度の高いテクニカルな撮影だったのではないでしょうか。大胆なショートヘアが魅力的なパトリシアを演じるジーン・セバーグを至近距離から見つめ続けるカットがとにかく美しいですが、クライマックスでミシェルを見つめるパトリシアのカットは『セーラー服と機関銃』で遺体安置所に横たわった渡瀬恒彦を見つめる薬師丸ひろ子のそれと酷似していることに気づき、相米慎二監督もまた相当にゴダールの影響を受けていたのだなと今更知りました。

よね