劇場公開日 2015年6月27日

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「基本的には好きな話でしたが、いろいろ詰め込みすぎた印象は否めず」天の茶助 スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0基本的には好きな話でしたが、いろいろ詰め込みすぎた印象は否めず

2017年3月2日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

萌える

あらすじや予告編からは結構面白そうな雰囲気が漂っていたんですけどね、何かいろいろ詰め込みすぎたせいか、正直途中で何の映画を見ているのか分からなくなりましたよ・・・。
着地点がそうなるなら、もっと普通にラブファンタジーとして見たかったなぁ。
その話いる?的な部分が多すぎて、軸が何なのか分からなくなる感じは狙いなのか、何なのか・・・。
天界の茶番頭・茶助が地上の口がきけない女の子に恋をして、彼女の危機を救おうと運命に立ち向かう基本線は好きなストーリーだったので、まあそれなりには楽しめましたが、いろいろと脱線した部分がいまいち受け付けなかったところもあって、少しもどかしさを感じてしまった作品でしたね。

キャストはホント魅力的でした。
おかげで最後まで見れたところもあったかと・・・。
これは人間離れした雰囲気漂う松山ケンイチが主演だったからこそ成り立った映画ですよね。
脇を固めたのが伊勢谷友介に大杉漣に田口浩正、これもとても魅力的な配役でしたし(寺島進はベタ過ぎかな)、個人的にはヒロインに口がきけない大野いとだったのが最高だったなぁ、若干地味な存在なのと台詞回しに多少難がある彼女も、こう言う役なら最大限に魅力を発揮できますから、ここはSABU監督ナイスキャスティング!と絶賛したい部分でしたよ。
茶助の妹を演じた玉城ティナもなかなかの存在感、全体的に画的には完璧に嵌った配役でしたね。

しかし我々各人の人生は天界で全て脚本家が作り上げているのだとしたら、私の人生を書き上げている脚本家は相当な凡人としか思えなくなってしまうなぁ(苦笑)
そして生かすも殺すも脚本家次第って、何かゾっとしますね。
まあこんな設定の映画にしたおかげで、何でもありになってしまったのは良かったのか悪かったのか、突っ込みどころが多すぎて、突っ込む気にもなれないほど意味不明な展開に、見る側も振り回され続けた作品でしたね。

やたらお祭り?のシーンが多かったのも、正直鬱陶しく感じました。
怖いぐらいの祭り押し、舞台となった沖縄の観光PR的な作風にしなかったのは良かったものの、ちょっとくどかったかな、異質感漂う雰囲気を出したつもりなのでしょうが。
まあSABU監督お得意の疾走感を出すには最適なロケ地だったかもですけど。
いろいろな映画のパロディは結構ツボだったし、キャストと基本的なストーリーは好きでしたが、監督のやりたい放題にはいまいち付いていけずでした・・・。

スペランカー