劇場公開日 2014年5月10日

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「自らの感性を定期的に確認する試金石。」ライヴ Opportunity Costさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5自らの感性を定期的に確認する試金石。

2014年5月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

酷かった。
本当に酷かった。

山田悠介「ライヴ」が原作。
原作を攻略本とする本作の設定を“斬新”と褒める方もいますが…個人的には目新しい点は皆無。
結局は井口昇 監督作品。
原作という制限がある中で如何に監督の趣味である『特撮、血、機械化した女性、お色気』を出すかの辻褄合わせという印象でした。

そもそも中身が薄い。
上映105分の中で度々ダレる場面があり辟易。
同じような映像が何度も出てくるため序盤で飽きて苛々します。

また役者の演技にも難有り。
本作では主要人物である山田裕貴、大野いと、森永悠希の演技が総じて酷い。
ただ今年鑑賞した映画「ヌイグルマーZ」も含めて考えると役者の力量だけではなく演出側の問題もあるかと。
他作品では問題なく観れた俳優陣ですら本作ではガッタガタ。
おそらく井口昇 監督は自身が撮りたいモノのみに妄執、その他には気が回っていない。
結果、学芸会レベルのグダグダ演技が世に出されるという大惨事。
登場人物の言動を自然に観せる工夫が無いため常に違和感や苛々が付き纏い無駄に疲れます。

最も残念だったのが監督が主眼を置く『特撮、血、機械化した女性、お色気』自体も残念だった点。
直人と行動を共にする複数の人物達が中盤に或る武装女性達と対峙するのですが。
この時点でググッと物語のリアリティラインが下がります。
意味もなく機械化された女性達は理由もなく水着姿もしくはチラ見せ。
色々と飢えていた10代ならばいざ知らず、R15+作品では噴飯モノ以外何物でもありません。
演技も拙く苦痛以外の何物でもありませんでした。

良い所を見つけるのが極端に難しい本作。
唯一の良い点は井口昇 監督作品が全くブレないこと。
自身が井口昇 監督作品を本当に酷いと感じる感性であることを改めて確認出来て良かったです。
個人的には糞不味くてかつ店員の接客も極端に酷いと分かっている定食屋へ敢えて定期的に足を運ぶ感覚に似ている気がします。

自分の感性は(自分の中では)正常であるという確認作業。
そういう意味では井口昇 監督作品は自らの感性を定期的に確認する試金石と言えます。

時間が45分程度で、鑑賞料が1,000円未満であれば許せないこともない本作。
映画を年間数本しか観ない方にはオススメしませんが。
本作の監督が好きな方や特撮が好き過ぎる方ならばオススメです。

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Opportunity Cost