「郷土映画の傑作」種まく旅人 くにうみの郷 odeoonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
郷土映画の傑作
「くにうみの郷」は淡路島、日本最古の歴史書『古事記』において、神々が最初に生んだ島とされており、「くにうみの郷」や「国生みの島」と呼ばれます。
農林水産省の官僚神野恵子(栗山千明)はアメリカ帰り、日本の第一次産業の収益性の構造的問題に関心があったが上司は頭でっかち、先ずは現場を見て学べと淡路島に地域調査官として赴任させました。市役所の補佐役
津守泰一(豊原功補)は正直、迷惑とつれないが役目は果たし島の産業従事者を紹介します。恵子は地元の玉ねぎ農家の豊島岳志(桐谷健太)や海苔養殖業者の豊島渉(三浦貴大)兄弟と出会い、島の人々と交流しながら、伝統的な「かいぼり」の復活や第一次産業の再生に奮闘します。
「かいぼり」とは、ため池の水を抜いて底に溜まった泥を川へ流し、その泥に含まれる窒素やリンなどの栄養塩を海へ供給する取り組みです。これは、栄養が不足しがちな瀬戸内海などの「貧栄養化」を防ぎ、植物プランクトンを増やして魚介類を育てる豊かな海(里海)を作るために行われ、農家と漁業者が連携する「里・海協働活動」として注目されているそうです。
豊島兄弟の不仲ぶりなどは人間ドラマを盛り上げる為のおまけの様なもので、見どころは淡路島の魅力の数々、オリーブオイルが有名なのは知っていましたが玉ねぎが有名なのは知りませんでした、恵子は玉ねぎの美味しさに感動していましたが淡路島の玉ねぎは糖度が10〜15%と非常に高くフルーツ並みの甘みが特徴、全国の生産量の3割と人気だそうです。
淡路島の人形浄瑠璃は約500年の歴史を持ち、国の重要無形民俗文化財に指定されているのは初めて知りました。まさに郷土映画としても丹念につくられた見事な傑作でした。
