カンチョリ オカンがくれた明日のレビュー・感想・評価
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オカンとオレと、時々、ヤクザ
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認知症を患う母と世話をする息子。湿っぽくならず、ユーモアを交えて描く。
日本では「ペコロスの母に会いに行く」という人情味たっぷりの秀作があったが、韓国が作ると一味違う。
お国柄か、韓国裏社会要素が絡む。
主人公の青年の友人が韓国ヤクザの下っ端で、図らずも裏社会に関わる事に。
その友人の連帯保証人になってしまい、アブナイ仕事をやらされる。
ゴロツキや暴力やアクション要素も。ついでに、明らかな韓国人が頑張って日本人ヤクザを演じ、カタコト日本語を喋って日本語の字幕も出る。
韓国サスペンスとしては非常に緩いが、それは仕方ない。本筋は母子愛のドラマ。
認知症を患いながらも天真爛漫な母と、母の前では常に笑顔を絶やさない息子。
金が無くて貧困に喘いでも、コネが無くて頼れる人が居なくても、母には息子が、息子には母が居る。
必死に真面目に生きてきたのに、不運が重なる。韓国ヤクザとの関与、母の症状の悪化。
それでも、ある言葉だけは言いたくない。本当はそうであっても。
“つ”“ら”“い”。
終盤、主人公の身に重大な事態が。
そして見終わって分かったサブ邦題の意味。
オカンが自分を生んでくれた…という意味ではなかったんだね。
痛々しさと切なさも感じたが、余韻の残る感動的な締め括り。
主人公の傍らには苦楽を共に出来そうな存在(女性)が。
オカンはもう居ない。が、オカンがくれた人生を生きていく。
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