「走る理由」人生はマラソンだ! 玉川上水の亀さんの映画レビュー(感想・評価)
走る理由
マラソンブームである。
会社の同僚の中にも皇居ランニングする人や、東京マラソンに挑む人がいたりして、身近な存在になりつつあるが、とはいえ42.195キロを完走するのは並大抵のことではない。
この作品に登場する自動車修理工場を営むギーア、従業員のニコ、レオ、キースの中年4人組は昼間からビールを飲んでカードゲームをしている駄目オヤジたち。
ところが、多額の税金を滞納しているのが判明し、払わなければ工場を差し押さえられるという事態に陥る。
そこでこのオヤジたちは大博打に出て、スポンサーに「マラソン大会で完走すれば借金肩代わり、出来なければ工場没収」という約束をさせる。
ここからメタボ腹オヤジたちのフルマラソンへの挑戦が始まる。
オランダ映画なので、出演している俳優たちには馴染みがないが、演技派の人たちばかりで、つい彼らが紡ぐドラマに引き込まれてしまう。
工場が火の車状態なだけでなく、自らの体も危ない状態のギースをはじめ、他の3人も夫々問題を抱えていて、中年男性の哀愁が伝わって来る。
そんな駄目駄目な状況でも、何とか打開しようとマラソンに真剣に取り組む後半からは、彼らに思わずエールを送りたくなる。
「工場再建」という一つの目的から始めたマラソンへの挑戦だが、彼らが胸に秘めた夫々の走る理由、家族の為、仲間の為、今までの駄目な生活や自分からの脱却の為、そして自分の信念の為に走り抜こうとする。
彼らの頑張る姿を見ていると、メタボ腹の私も今日から走ってマラソンに挑戦したくなります!
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