ソロモンの偽証 後篇・裁判のレビュー・感想・評価
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結局、普通の邦画
全くもって惜しい。鑑賞しながらこうした方がなとか、もう少しこうだったらとか反省しちゃう、そんな映画。脚本を語り部と聞き手を置くことで説明をスムーズにする構成は見事だったし、子供たちの瑞々しい芝居が成長していく様は物語と相まってぐっと胸に迫るものがあった。しかし、ただこれだけなんだよね。子供たちの成長物語が間違いなく基幹なはずなのに、道徳教科書のような紋切り型のセリフ、解釈は中学生はもちろん、アラフォーの私でさえ薄ら寒いものを感じざるを得ない。徹底的にセリフを現代語に改稿するだけで随分と違う印象になったんじゃないかな。そして、何と言ってもドラマ作りが下手過ぎる。リアリテイとドラマチックのバランスが悪すぎる。編集や脚本、芝居で煽ってこないからダラダラと物語が続いている印象を受けるし、見てる側も飽きてくる。結局、前後編を見てこれなら二部作にしないでも位の印象になってしまった。
最後にラスト、藤野と神原の裁判最終日のやり取りで神原の回想開けで藤野の背景が回想前と繋がってなかったのはワザと?もしそうじゃなかったら凡そプロの仕事と思えないね。頼む、ワザとであってくれ。
原作未読。前編と違い盛り上がりがない。裏切られる展開もなく淡々と進...
原作未読。前編と違い盛り上がりがない。裏切られる展開もなく淡々と進む。役者が中学生だから仕方ないとは思うが棒読みが酷い。目力で演技力のなさをカバーしてる印象。中学生の真っ直ぐな気持ちとそれを受け入れる大人、理解できない展開に冷めた。柏木くん、松子ちゃんの両親はそれでいいんですかと聞きたくなる。最後の尾野真千子さんは必要だったのか。尾野さんをだすなら他の主要人物のその後もだして欲しかった。
全267分は少々長い
校内裁判が、思いの外臨場感があり、尋問も的確で進行にも違和感はない。
神原和彦が、本筋から逸れて大出俊次の過去の悪事を追求していくところは、特に迫力がある。
ただ、逆に言うとそこがピークになってしまい、柏木卓也の自殺や浅井松子による告発文などにまつわる真相などは余韻程度に感じられてしまう。
やっぱり原作が好き。
この原作の弱点は、柏木卓也(望月歩)の死亡事件に他殺の線はまったくないのに、告発状のせいで大出俊次(清水尋也)が名指しされ大騒動になり、学校内裁判に至る。しかもその告発状は三宅樹里(石井杏奈)のでっち上げということもわかっている。
いわば二重のハードルである。
この裁判は茶番ではないか。
真辺克彦脚本、成島出監督が選択したのは、この裁判が、藤野涼子(藤野涼子)、神原和彦(板垣瑞生)の贖罪となるというストーリーラインであった。
原作では、柏木卓也の奥深い悩みも描写され、陪審員たちもそこを見ようとした評決を下す。
どちらがいい悪いの問題ではなく、もはや好き嫌いの話である。
原作を読んだときに、これは書きたいことを書きたいように、枚数を気にせず書いたものだと感じた。すべての登場人物に作者の愛を込めた小説だったのだ。
原作を知らずに映画を見ると、柏木卓也はとんでもない自己中男に見えるのではないか。もっというとモンスターに見えたのではないか。
映画の作り手は、そこを犠牲にして、藤野涼子、神原和彦よりのドラマにしたてた。
それでも泣かせるシーンはいっぱいあったし、それぞれに希望のもてる終わりになったとは思う。
それに、大量に輩出した若い役者たちの今後の活躍も期待できる。
本作の映画化は、それだけでも値打ちがある。
上手く纏めてはいる、しかし・・・
原作になく全編に付け加えられてるシーンで主人公の藤野が三宅と松子が苛められてるのを見ぬ振りをするところを自殺した柏木に責められるのが、藤野が裁判に踏み切る理由としては十分だと思う。
ずっと真面目にやって来た自信があったからこその選択と納得がいく。
だが、小説を読んでも思ったのだが柏木の死の真相を探るために随分と無理をしていると思った。例えば大出の父親が告発状に対して名誉棄損で訴えていて警察が動いていたとするならば、裁判まで行かなかったのではと思われる。
映画ではそういうところを上手く処理していたが、こちらとしては見ていてムズムズした。結局真相は中二病をこじらせた柏木の神原の心との無理心中という救えない結末だったのだが、この裁判に関わった登場人物たちは本当に納得がいったのだろうかと思う。
原作未読です うーん....
原作未読です。
正直見終わった感想、うーん....って感じです。1つだけはっきりさせておくと決してミステリーではないです。ヒューマンミステリーという宣伝はいかがなものでしょうか。
前編では謎が謎を呼び、あれよあれよと迷宮に引き込まれました。後編でどのように解決していくのかと期待していたのですが....。特にそれぞれの謎が結びついて、あーそういうことだったのか!となるようなエピソードがありませんでした。それぞれの謎がほぼ独立して解けていく感じです。あーそれはそうだったのね、あれはこうだったのね、と1つ1つ淡々とわかっていくだけです。
あと本作のキーマンである柏木くん。過去に何があったのか描かれていない(いじめで不登校になっていたという説明のみだった)ので感情移入できませんでした。あれではただのサイコパスです。ただただめちゃくちゃ性格悪いやつにしか見えませんでした笑。
全体を通して詰めが甘いといった印象の作品でした。セブンイレブンも最近のデザインでしたし...
傑作!感想を分かち合いたい人へレビュー書きました。
ソロモンの偽証!
映像的に納得いかないとか、上映時間長すぎ?とか、
マイナスもあるのですが、
テーマ性や演技におけるプラスが大きく上回っているので
5.0満点です!
前編を見終えた時に、
「えっ、それくらいで、そんな心理になる?」と
主人公のショックの受け方に違和感あったのですが、
実は後編ではソコの回答がテーマとなって物語が進んでました。
謎の死を遂げた同級生の、「偽善者」と責める声&目が
この作品のポイントで、
前編で感じた違和感は、これらの説明不足によるものでした。
後編では、これらへの回答を意識した画が撮られています。
それは、彼自身と、彼の目に悩まされた主人公と担任、
それからこの作品のミステリーの鍵となる弁護士役の子が、
要所要所で「まばたきをしていない」演技で示されています。
そして、彼のいう、あるいはこの作品のいう「偽善者」とは
一体何であるか。
これについては、二十数年後にあたる現在の現場中学校校長が
唯一言葉にしています。
「心の声の蓋をすると、自分の見たいようにしか見えなくなる
(朝見た映画について夜にコメントを書いているので、
セリフはうろ覚えですみません。)」
ということです。
偽善に限ったことではないと思いますけどね!
さらに、ここからは推測ですが、
成島監督(あるいは原作の宮部みゆき氏?)は、
「そうしちゃうと、成長を止めるからやめときな。」と
言いたいんだと思います。
このように感じたのは、謎の死の彼が劇中で一番子供っぽいんです。
そう見える役者を選んでるんです。
彼は、おそらく彼自身も偽善に走ったことがあり、
成長を止めてしまったのです。
そして捻くれて、最終的には自殺。
当映画のポスターに「嘘つきは、大人のはじまり。」って
書いてあるのですが、これは、彼の捻くれや、
主人公や思春期学生の自己懐疑な気持ちを示していたんですね!
DVDでたら繰り返しみます。^_^
新手の詐欺
前半を公開日に観ておもしろいと感じ一ヶ月間待って、
ようやく今日見れました。金を返して欲しいです。
前半をみて、どんな展開か予測していたのに結局、神原という謎に包まれた男がキーだった!いや、そりゃそうなるわ。どこがミステリーだよ。こんな謎とけねえよ!
それに先生とかマスコミ完全に空気だし、、、肝心の裁判は誘導尋問の連発なんですけど。原作は読んでないので文句ありません。しかし六巻ある原作を大きな改編なしに映画化するのが無茶な話でしょう。
今回はかしわぎくんのキャラが爆発するような感じでした。個人的に前編...
今回はかしわぎくんのキャラが爆発するような感じでした。個人的に前編にあったような目を覆いたくなるような映像を期待していたのですが、そういうのもあまりなく。シリアスな雰囲気ですが、かしわぎくんのこじらせ具合が笑えてしまいました。
ソロモン王は言った「公平に判断ができる心が欲しい」と。
原作既読なので色々な違いは気になりましたが、映画としても小説にあった見所はあって良かったと思います。
ちなみに、ソロモンというタイトルは、ソロモン王から来ています。彼は神からなんでも願い事を叶えてあげようと言われた時、公平に判断ができる心が欲しいと言いました。これは劇中の生徒たちの心につながるものです。
裁判の必要性について、ここまでやらなければならなかったのか?に対してはここまでやる必要はない、というのが現実的な答えになるかと思います。ただし、作劇的な意味においては大いに意味のある設定であったと言えます。裁判を通じて、自分に不都合な真実、隠している秘密を、登場人物皆が暴露させることに違和感を与えない効果を生みます。また同時に、恐ろしい真実に挑む勇気を見せるということも、分かりやすく見せています。これが劇中の裁判の意味です。
偽証というのも、樹里というキャラクターが出した嘘の証言が代表ですが、登場人物各々が抱える罪の意識に対する向き合い方自体も、実は偽証に含まれます。元校長の隠蔽、元担任が柏木くんを面倒だと思ってたことそして、その死に安堵してしまったこと、主人公のいじめを見て見ぬ振りしたこと、そして神原くん、各々が罪の意識を抱き、秘密を持っている。
それを暴露し、真実に向き合う場面が、後半には描かれます。中学生だからこそ、描ける未来への決意。とてもいい映画です。
ちなみに、映画と原作の違い。非公開裁判シーンがない。柏木くんの有罪=自分を殺した殺人罪で裁く結末がなくなっている。電気屋のおじさんの一言で神原くんの正体が分かった原作と違い自力で真実に至っている。裁判の証人は大幅に減らされてる。
期待していた程ではなかった
前後編合わせての評価として2.0です。
原作読んでいません。だから純粋に映画としての評価です。
出演者の演技力とお涙頂戴の物語構成で鑑賞直後は感動していました。でも少し興奮から冷めて思い返してみるとこのように感じます。
プラスポイント
・なんといっても出演者の演技。主演の藤野涼子、神原くん役、大出くん役の3人は素晴らしかった。ミドルティーンの役者としては満点。
マイナスポイント
・キャラクターの背景や人格形成の掘り下げが浅いため、行動の動機が理解しづらい。そのため、例えば柏木くんのゲスさばかりが目についた。あれじゃ単にいじめられっ子のカマッテちゃんが相手にされなくてヤケ起こして飛び降りたようにしか見えない。
・演技に騙されがちだが、校内法廷を開くように仕向けた神原くんの動機もかなり中二病っぽい。
・担任の先生をビール瓶で殴りつけた隣の女、なぜ担任の先生を恨んでいたのか分からなかった。前編で何かあったっけ?それにこの先生が殴られてどうこうって、結局最後まで本筋に直接関係ないから必要ないと思うのだが?
・時々、カメラが揺れて見づらい。というか酔いそうになった。保健室のシーンと最後のグラウンドから校門を出るシーン。何らかの演出なのかもしれないが、視聴者を酔わせてどうする?
以上、良い点よりもアラが目立ちすぎです。
素直に感動したい人にはオススメ。
ゔーん
柏木くんって、いじめられっ子だと思ってたけど、同情出来ない。
自分がつらいからって、周りの人、しかも友達を傷つけるなんて、信じられない。
うるっと来てたけど、柏木くんのところでイライラした。
でも、時間がたって、冷静になったら、そこまで追い詰められてたんだと思った。原作にはそこまで書いてあるのかな。。
原作は読まないかな。
裁判の必要はあったのか
※原作未読です。
学級裁判というインパクトだけで中身がまるで無い。いい話風にまとめられているが(それが宮部みゆき的とも言えるが)正直後編の裁判シーンはまるごと不要である。そもそも前後の藤野の赴任エピソードもまったく不要であり、焦点を柏木くんに向けなければこの話は終われないはずである。何故柏木くんはあんなにねじくれまくって不登校にまでなったのか?真犯人は柏木くんであり、裁判に参加していた両親も居たたまれなかったはずである。息子を救えなかったという点で一番絶望すべきも両親であり、そこに神原くんの過去エピソードが影響するのは辻褄が合わない。裁判など取っ払って、後編はいきなり柏木くん視点で描けば衝撃作としてもっと話題になっただろうにと思う。
柏木くんが
前編の、偽善者発言の時はそこまでなかったけど、後編のラストの柏木くんときたら、とんだ中二病少年。
神原くん、一緒に死ぬはめにならなくてよかった。
どうしてあんな柏木少年が生まれたのか、公衆電話の残る二箇所の謎は、とか気になるところはあるのですが、原作読めば解けるんでしょうか?
長い映画でしたが、文庫6冊分を思えばすごくまとめられたんじゃないかと思います。
子役の子たちのこれからの活躍も楽しみだし。
ただ、藤野涼子ちゃんがこれからあの名前を背負っていくのはプレッシャーじゃないかと思ってしまうけど。
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