パッセンジャーのレビュー・感想・評価
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脚本もオートパイロット機能付き
J・ローレンス、C・プラットの2大若手スター主演。
終末SFな設定や「ひとつの場所で孤独に生きねばならなくなったら」
という深く掘り下げられそうなプロットに惹かれて鑑賞。
結果的にはもっと単純明快なSFエンタメ映画だった訳だけど。
* * *
たったひとり目覚めた主人公の1年を追う序盤の流れは面白い。
本作のSF世界のデザインはそこまで斬新では無いと思うが、
それでもまるで豪華客船のような様々な施設を主人公と
巡っていくのは楽しいし、プログラム通りの応対しか
できない人工知能とのチグハグなやり取りも笑える。
主人公が孤独感を募らせていく様も丁寧に描かれていて良い。
魅力的に撮られている主演の2人、
人懐っこい笑顔でズレた会話をするロボバーテン、
L・フィッシュバーンやA・ガルシアのサプライズ的登場、
それにそこそこに迫力ある宇宙の風景、
これらも本作の良い点だと感じた。
* * *
……と、いきなり長所だけ上げ連ねたのは、
その長所以上に不満点の方が大きいから。
前述通り、序盤は面白かった。問題はその後、
主人公がヒロインを目覚めさせる辺りからだ。
「主人公2人だけ偶然目覚めた」という展開と
思っていただけにここは驚いたが、主人公に
業を負わせるという点でユニークだとは思う。
しかしまあ、僕の場合、前半で主人公に抱いていた
好感はここでドスンと落ちた。
ヒロインと恋人同士になっていく流れは、普通の
ロマンス映画なら心が浮き浮きするパートのはずだが、
騙されている事に気付かないヒロインが不憫だったり、
いつ主人公の所業がバレるかという緊張感を覚えたり、
正直言ってロマンスどころではない。
恋人になるよう仕向けられ、歩もうとしていた
人生を丸ごと塗り潰されたヒロインからしてみれば、
これ完全にホラーである(真相がバレてからは特に)。
「宇宙版『タイタニック』て聞いてたけどむしろ
宇宙版『シャイニング』だよね」と言うくらいの恐怖である。
* * *
とはいえ、主人公を否定的に捉える観客が出てくる
ことは作り手も織り込み済みだったと思う。
「主人公はナイスガイにすべし」なんて法律も無いし。
大事なのは主人公のその後の行動に納得できるかどうか。
この映画の場合は、どうやって主人公が船の危機
を救い、そしてヒロインへの償いを果たすかだ。
実際、主人公は死を覚悟の上で身を挺してヒロイン
と乗客約5000人の命を救う。その英雄的行為自体は良い。
だが、危機を乗り越えた時点で主人公たち2人が
仲良しこよしにすっかり戻るというのはどうなんだ。
例えば危機を乗り越えた時点でヒロインが主人公を
少しだけ赦し、長い年月をかけてわだかまりを溶かして
いくといった展開なら、まだ納得できただろうと思う。
だが、危機を乗り越えた時点で主人公の所業全てが
赦されたような流れは、主人公に対して甘過ぎるし、
ヒロインにも”芯”が無いと感じる。貴女が奪われた
人生への思い入れはそんなものだったのか?と。
コールドスリープに戻れると分かっても、さしたる
葛藤すら見せない、その程度の思い入れだったのか?と。
* * *
後半の主人公たちの描き方もだが、他にも
この映画はSF設定やシナリオが甘過ぎる。
人工知能のズレた反応や乗客ごとのセキュリティ
権限で行動が制限される等の設定は面白いが、
そもそものコールドスリープに戻れない理由が
「宇宙船内の設備では戻せない設計だから」だとか、
動力炉がダメージを喰らっていたのに警告の
アラートが立たないとか(症状が2年間も進行
していたのにその周辺系統も警告ナシ?)、
『絶対に安全』と謳う企業姿勢を皮肉っているにしても、
100年超もの航行を目的とした船にしてはあまりにも
お粗末で現実味がない。
しかもいよいよ船が危ないと気付き始めるのは
ちょうど主人公たちの仲が険悪になったタイミングで、
同時に船の状況を把握できる船長だけが目覚め、
おまけにその船長は事故の影響で瀕死の状態、
主人公2人に望みを託して死去という流れ。
記号的な役割しか与えられなかった船長を憐れに思う。
脚本家にとってはオートパイロット運転
みたいに楽な作業だったと思うけど。
* * *
以上です。
映像や出演者にはさしたる不満は無いけど、
ちょっと脚本が都合良過ぎやしないか、と。
イマイチの2.5判定で。
<2017 03.31鑑賞>
孤独死は嫌だから。
いやいや、こういう話だったとはねぇ(^^;と誰もが思う予想との差。
確かに目覚めたのには理由があったけどさ、それってどうなのよ?
と思ってしまいますね。特にオーロラの立場であったらたまらない。
しかしこの無理難題をSF(じゃなくても良かったような気はする)
ラブロマンスに持っていって終わらせるという強引な手段には拍手。
確かにこれが普通男女でなかったら正統なホラーが成立してしまう
ところでした。しかしこれって…精神的に孤独感が勝ると人間誰も
がこうなる可能性を示唆しているし、現に幸福を得た後は、彼女を
元へ戻そうとしている主人公。単なる身勝手で始まった恋だけれど、
ちゃんと相手のことを慮ったところは由。まるで寝込みを襲われた
風の彼女も、発狂を経て(これは分かる(^^;)彼のことを理解していく
過程で彼女もまた大きな孤独を抱えていたことが判明、理由は最悪
だけど合うものは合った…というこれまた強引な解釈でいいのかと。
ただね、そんなに合うのなら一つだけ疑問が残ります。子供は…!?
アンドロイドのバーテンダーM・シーンが表情豊かなので楽しめる。
(フィッシュバーンが先に目覚めるバージョンだとどうなったかしら)
SFよりも恋愛映画の色が濃い
移民旅行の残り90年の時点で冬眠から目覚めてしまった男の話。
もっとミステリーっぽいものをイメージしていたが、話は単純だった。気に入った女性のカプセルを故障させて開けるなんて!結果的にはそのことが船を救ったからアリってことか?
細かい設定はツッコむところが多いが、気にしてはダメなのだろう。恋愛映画なのだから。むしろ、2人で生きることを選択したことよりも、2人が死ぬところのほうが気になる。2人で心中したのか、1人で孤独な最期を迎えたのか…。
We made a life. A beautiful life... together. 人生の選択とは?
今をときめくジェニファー・ローレンスとクリス・プラットが出ずっぱりなSF作品です。宇宙の描写がとても美しかったですね。最後までハラハラしながら観る事ができました。
孤独に耐えられなかったジムを演じたクリス・プラットも良かったですが、何よりジェニファー・ローレンスが素晴らしかったです。正直初めてジェニファー・ローレンスがいい女優だなぁっと感じました。中盤事実を知ったオーロラが寝ていたジムを殴るシーンは超リアル!現実的な女性の行動を上手く描写してますね。
そしてローレンス・フィッシュバーンがとっても有能でした。二人の関係が気まずくなった時に現れて、宇宙船の故障を直し、便利なアイテムを渡して、そして二人の邪魔にならないよう長居せずに去っていくというなんていいキャラクターなのでしょう!
オーロラとしてはジムに人生を狂わされた感じでしたが、人生なんて予定通りにいくことの方がレアですし、最終的にジムという人生の伴侶に出逢い素晴らしい人生を生きたと言えたオーロラの人生は良い物だったのではないでしょうか?
ありきたり
字幕なしの英語で観たので、所々理解できなかった所がありますが…
美しいし、撮影技術的には凄いと思うけれども、ストーリーは単純で予定調和。何を伝えたいのかも分からない。
色々ありすぎて詳細は省きますが、突っ込みどころ満載でした。
最終的に死にそうになりながらも壊れた箇所を直して良かった良かったで終わります。感想としては、ああそうですか良かったね、で終わりました。
設定は粗いけど
設定に粗い点がいくつもあります。
・地球にメッセージを送信するのに何十年もかかるとあったが、という事は宇宙船も光の速さで移動してる事になる。理論上はあり得ない事。もしそうだとしたら逆に歳をとらないという事になって、冷凍保存する必要もないのだが。。あと、120光年の範囲内で移住できる惑星は今のところ見つかっていない。
・主人公が一人で目覚めて1年以上生活できたのなら、クルーって何のために250人も必要なのか?専属スタッフ的な人がいてもいいが、250人は必要ないでしょう。
・冷凍保存してるカプセルが場所取りすぎ。全員が到着の3か月前に目覚めるという予定なのだから、目覚めた後は完全なデッドスペースになる。誰が設計してもカプセルホテルのような詰め込み式にするでしょ。または自分専用の部屋があったみたいだから、そこに寝てれば、勝手に他人に起こされたりしなかったのでは?
・主人公の男性と目覚めさせられた女性は、契約してるプランが違うという設定だったが、その違いは食事だけ?豪華なプールや娯楽施設は利用できてるのはちょっと違和感。目覚めて3か月しか宇宙船にはいないのだから、普通、プランで差をつけるとしたら、健康状態に直結する食事よりは、娯楽施設の方だろうと思った。
あと5000人の人間がいるのだから、いくつかの居住区に分けるだろう。人種で分けても差別になるし、、となるとプランで分けるのが自然なのでは。すぐ近くにプランの違う(グレードの違う)人が寝てる可能性はかなり低いと思う。スーツを着て彼女の部屋に迎えに行くシーンがあるが、グレードの違う居住区に入れるのは少し不自然。
といくつかモヤっと感はあったが、宇宙船で一人にさせられた孤独感や究極の選択を強いられる場面などはかなり楽しめる。
細かい事には目をつぶれる人は間違いなく楽しめる映画だと思います。
最後は…
地球外の居住惑星に移住すべく120年間の旅をする宇宙船で、機械トラブルで1人目覚めてしまった男性の人生を描く物語。途中までは生きる目的を考えさせられる内容ではあるが、最後は尻すぼみの様にハッピーエンドに向かっていく…。
理想と現実
孤独な時間と2人になった後の対比がすごくて、月並みだけど1人と2人は全然違うんだよなーーと痛感。
ジムがする選択には暫く疑問符がついたけど、、追い込まれたら私もそうするかもなぁなんて。溺れている人は何かを掴まなきゃいけないから。
オーロラのテンション高めの演技も良かったな〜。そりゃ発狂するわ!
宇宙版タイタニックってどこかに書いてあったのだけど、かなり納得。でも、テーマはラブストーリーというより理想と現実、現実を受け入れる難しさや尊さな気がします。
宇宙客船タイタニック号
流石ビッグバジェット、SFの王道でいったらこういう作風になるという作品。画風も然り、正に正統派といっても良い程である。
ただ、しかし何故だか心に響かない。ジェニファーローレンスと沢尻エリカが『ロレックス(※雰囲気からの相似by粋な夜電波)』なのか、はたまた『ローレンス』を奪い合うジェニファーとフィッシュバーンの共演が原因だったのか、画力の圧とは対照的なテーマ内容だったのか、はっきりとは判明できない。
テーマそのものは、興味深く、難破まではいかないが、目的までには死んでしまうことが運命づけられてしまった男が、道連れに美女をさらうという禁忌を冒し、さぁどうするっていうストーリーである。その意図するものは深いのだが、結局の所、犠牲という罪滅ぼしを経て、でも助けられて、その贖罪と許しを得られた後の、お礼という一連の流れに高揚感があまり得られなかったのではないだろうかというのが自己分析である。ラストの宇宙船内部の緑化にもあまりハッピーエンド感を感ぜず、掃除大変そうだなぁと余計なこと考えたりしてしまうのは、意外なオチを期待しすぎてしまったのかもしれない。早く起きすぎてしまった第3の男であるローレンスフィッシュバーンの役の意味合いがまったく理解出来ず、それよりもバーテンロボットの狡猾さをもっと前面に出してくれたらもっとサスペンス色が拡がったのにと上から目線で物を言ったりして・・・
ソニーだけあって、何故だかプレイステーション用ソフトの絡みを感じざるを得ない作品であった。
設定細部は気になるが感動の作品。
完全ネタバレですが・・気になった点がいくつか。
隕石群衝突で心臓部損傷て、こんな未来にあり得ない事故。
で、クルーが調べないと自己診断エラー報告できないって
その程度のセキュリティじゃ大宇宙へ行けないよ。
管理者不在で全員が睡眠して機械任せの120年間も違和感。
大体冷凍睡眠の再トライが不可能ってのも違和感。
その程度の科学技術じゃこのツアーが成り立たない。
このツアーが何度も成功した後の物語だから、相当な未来です。
宇宙服には推進装置が無くて、命綱だけってのも遅れてる。
とまあ、SFとしての仕込が甘い本作品ですが、人間ドラマとし
ては、とても良い感じです。孤独な現実に絶望する主役や
事故は嘘だったと知るヒロインも、良い演技です。目覚めた
クルーが多臓器不全で無くなりましたが、残りの5,200人の
健康状態が心配。冷凍中に治療できたのかどうか・・?
脚本は穴だらけですが、恋物語としては素晴らしい。映像も
超キレイだし、カップルで鑑賞がオススメの映画かも。
↑ 書いていて気が付いたが、「君の名は。」の感想にも
こんなレビュー多かったなあ・・
アンディを探せ
最初の宇宙船の様子から 入り込めなかった……女を起こす迄の苦悩も さして描けず その後のデートも何だそりゃ 起こされた真実を知って、おっ!と思いきや ただの喧嘩中のカップル程度 女性の熱演も白ける フィッシュバーンの登場も唐突だが 展開に期待感をもたすが それもすぐ病気でいなくなる その後は船を直す為の命がけの作業となるが それも何が大変なのかもよく伝わらない なんか 最後は仲直り 結局女一人助かることを選んだって事?この出来事が彼女の口で語られるって事は?
鑑賞中何度も 「何だこれゃ?」をつぶやく
アンディガルシアは何処に?
期待外れ
評価がよかったのでかなり期待してみたところ、、
内容が浅はかすぎてがっかり、、
宇宙服に穴が空いて、、のとことか、宇宙SFにあるあるなところがてんこ盛り。それが悪い訳ではないが、意味が全く詰まってなくて、拍子抜けでした。
クリスプラットがかっこよかったことだけが◎。
究極の選択の連続。溺れる者は藁をも掴む。
溺れる者は藁をも掴む。掴まれたものは掴んだものを許せるのか?
藁を掴むかどうかの究極の選択を迫られた男、そしてその後、掴んだ男を許せるかどうか女に選択が迫られる。
自分ならどうか、掴む方、掴まれる方、両方の立場で考えさせられた。生きるという意味についても。
問答無用で許せないという人も多いようだけど、果たしてあなたはそこまで完璧な聖人として生きているのだろうか?主人公の苦しみを本当に理解できているのだろうか?怒りのあまり、そこへの思考がシャットダウンされていないか?
たとえ衣食住が満たされていても、コミニュケーションが無いと生きている意味を見いだせないのでは?
生きながらに死んでいる辛さ。ダンスやスポーツを相手と楽しみ、お互いの上達を見ながら喜んだり悔しがったり。それはアンドロイドやAI相手では無理なのかも。
そしてクライマックス、男は船のために自分の命をかける選択、女は男を犠牲にできるかの選択。
更に女には自分の未来を生きるか、男との未来を生きるかの選択。
そしてアメリカらしいハッピーエンド。自分が脚本家なら主人公が宇宙船を助けることで贖罪させ、終わらせていたかも。
なんでもハッピーエンドにしたがるハリウッドだけど、この終わり方は嫌いじゃない。むしろいいかも。それにもし主人公が死んでいたら、今度はオーロラが他の男性を目覚めさせてしまうという連鎖が続く、星新一のショートショートみたいな皮肉な話になったりしてw
宇宙旅行のトラブルというのは添え物で、とても美しいテーマを扱ったいい映画だと思う。なんか聖書にも通じる。
人間の作るものに絶対はないにしても
システムが脆弱。緊急時の対応が、「どうしようもない」ありき、で展開していて、それなら仕方ないとは思えない。あれだけ危険性の高い旅に参加する人は、騙されたか、世捨て人かではないかと思うくらい条件がひどい。まぁ、極限状況をつくらないと物語が成り立たないですが、もうちょっと考えて欲しかった。それと、ようやく一件落着した後、一人なら人工冬眠可能と分かってからのオーロラの心理:「贅沢三昧して最後は冬眠させてもらえるかも」を考えるとあの時の笑顔が恐い。どっちかが先に死ぬのだから、あのラストになるにはひと悶着あっただろう。忘れちゃいけないのは、一番可愛そうなのは、機関士のガスですから! 彼は仕事でこの船に乗り、冬眠装置の不調で全身を壊され、短い生存期間も責任感だけだった…。エンド・ロールでアンディ・ガルシア…えっどこで? 船長! 一瞬だけやん!
美男美女
ストーリーの内容では登場人物が3人だけ(プラス1機)。また舞台は宇宙と、ゼロ・○ラビティと似てる点がありましたが、かなり楽しめました!
とにかく美男美女だったし、映像も綺麗だったので目の保養にもなった。
ストーリーもドキドキしたし、キュンともした。
だけど、はじめ目覚めてしまったばっかりの1人だけの孤独さがあまり強くなかった。ここはゼロ・○ラビティには劣るかな。
だけど、彼女を起こすかどうかの決断する場面だったり、バレてしまった場面、胸が痛くなり泣いてしまいました。
最後は2人で生涯を終える決断をしてくれたこと。安心しました。
だけど、許すことは出来ない罪。
どんな最期だったんだろうなぁ。気になる。
あと、最後のシーンで森みたいになったのには笑っちゃいました(褒めてる)
絶対だいがめん、大音量で観るべき。
あんな事してたら‼︎
前情報では、二人が同時に目覚めるのかと思ってた。
妻と見に行ったが、あんな事してたら子供出来るんじゃ無いかとヒヤヒヤした。と妻が言った。
そこで気付いた カプセルの中の人を当てあいこする時、助産師がいたよね。それって子供できることの伏線?
さておき、人間万事塞翁が馬、どう生きるかに意味がある!
いい映画だったな。
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