「オーロラがジムを嫌うまでの過程がよく描けていると思う」パッセンジャー 根岸 圭一さんの映画レビュー(感想・評価)
オーロラがジムを嫌うまでの過程がよく描けていると思う
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ストーリーと宇宙の映像美がとても良いSF映画。
オーロラはジムに冬眠ポッドから目覚めさせられたと気づかずに、徐々に恋愛関係に発展していき、2人で毎日を楽しむようになる。しかしバーテンダーの発言により、オーロラはジムに冬眠から目覚めさせられたのに気づく。怒りと絶望を感じ、ジムのことを生理的に無理というレベルで嫌うようになる。オーロラがジムに対して恋愛感情を持っていたところから、彼のことを視界に入れたくないほど嫌うようになる落差が凄まじい。ここがストーリーとして秀逸だと感じた。ジムとオーロラ、どちらの言い分も共感できるので、観ていて様々な感情が渦巻く。
また、宇宙船アヴァロン号が大きな故障を起こすに至るまでの、伏線の見せ方も上手くて良かった。液晶パネルがシャットダウンするときの映像の乱れや、ロボットが壁に向かってぶつかり続けるところから、これから大きな問題が起こりそうだという緊張感を、映画全体に与えているのが面白い。
最後はジムがアヴァロン号にいる人々を助けるために、命がけで行動する男前っぷりを見せる。そのため、最終的に彼に好感を持てるラストになるのも観ていて爽快だった。
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