「設定は粗いけど」パッセンジャー tattooyeahさんの映画レビュー(感想・評価)
設定は粗いけど
設定に粗い点がいくつもあります。
・地球にメッセージを送信するのに何十年もかかるとあったが、という事は宇宙船も光の速さで移動してる事になる。理論上はあり得ない事。もしそうだとしたら逆に歳をとらないという事になって、冷凍保存する必要もないのだが。。あと、120光年の範囲内で移住できる惑星は今のところ見つかっていない。
・主人公が一人で目覚めて1年以上生活できたのなら、クルーって何のために250人も必要なのか?専属スタッフ的な人がいてもいいが、250人は必要ないでしょう。
・冷凍保存してるカプセルが場所取りすぎ。全員が到着の3か月前に目覚めるという予定なのだから、目覚めた後は完全なデッドスペースになる。誰が設計してもカプセルホテルのような詰め込み式にするでしょ。または自分専用の部屋があったみたいだから、そこに寝てれば、勝手に他人に起こされたりしなかったのでは?
・主人公の男性と目覚めさせられた女性は、契約してるプランが違うという設定だったが、その違いは食事だけ?豪華なプールや娯楽施設は利用できてるのはちょっと違和感。目覚めて3か月しか宇宙船にはいないのだから、普通、プランで差をつけるとしたら、健康状態に直結する食事よりは、娯楽施設の方だろうと思った。
あと5000人の人間がいるのだから、いくつかの居住区に分けるだろう。人種で分けても差別になるし、、となるとプランで分けるのが自然なのでは。すぐ近くにプランの違う(グレードの違う)人が寝てる可能性はかなり低いと思う。スーツを着て彼女の部屋に迎えに行くシーンがあるが、グレードの違う居住区に入れるのは少し不自然。
といくつかモヤっと感はあったが、宇宙船で一人にさせられた孤独感や究極の選択を強いられる場面などはかなり楽しめる。
細かい事には目をつぶれる人は間違いなく楽しめる映画だと思います。
NAAR.COMさん
コメントありがとうございます。
細かい数字は忘れましたが、120年で到着予定で、主人公は30年で目覚めてしまったという設定ですよね。
地球へのメッセージ送信が往復で数十年かかると(具体的な年数は覚えてません)。
映画の中では宇宙船の速度は全く出てきてませんが、確かなのは地球に送信するメッセージの速度は光速だという事。メッセージのやり取りが往復で数十年かかるという事は、30年かけて宇宙船が到達している現時点は、地球から少なくとも10光年以上の距離にあるという事です。
光速だとも言い切れませんが、かなり光速に近い速度で移動してるのは間違いないのではないかと考えました。
そうなると、歳を取るスピードは極端に遅くなるはずで、乗客が目覚めた時に2人とも亡くなっていたのも不自然な気がしました。
最初のコメント以外は、なるほど面白い意見だと思いました。
ちなみに、
「地球にメッセージを送信するのに何十年もかかるとあったが、という事は宇宙船も光の速さで移動してる事になる。」
→地球にメッセージを送信するのに何十年もかかるとしても、必ず宇宙船が光速で移動していることにはなりません。
「あと、120光年の範囲内で移住できる惑星は今のところ見つかっていない。」
→太陽からの距離で4.24光年離れた恒星プロキシマ・ケンタウリの周りで、地球ほどの大きさの惑星プロキシマbが発見されています。(移住をどう定義するかにもよります。地球と非常に近い地表環境が存在する惑星のみ移住できるとしたら、そのような惑星は遠い近いに限らず1つも見つかっていません。)