劇場公開日 2017年3月24日

  • 予告編を見る

「クライマックスがミスマッチ」パッセンジャー ao-kさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0クライマックスがミスマッチ

2017年4月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

「キャストアウェイ」「オデッセイ」、主人公に深い孤独を味あわせる作品には何故か魅力を覚えてしまう。この「パッセンジャー」も宇宙船内で独りぼっちになった男の物語であるが、途中から一人の女性を登場させることで、少し変化球を織り交ぜてくる。

孤独な男女、似たような境遇にある二人はやがて恋に落ちる。広い宇宙船、壮大な宇宙空間、ロマンスを描くには十分な環境を提供し、ロボットのバーテンダーとのやりとりも含めて、それなりに楽しい雰囲気を醸し出す。だが、中盤にある秘密が解かれてから、このロマンスは一気にサスペンスに急展開する。二人しかいないという設定上、如何にしてこのサスペンスを盛り上げ、そして切り抜けるのか?いよいよ物語に拍車がかかってくる。

そんな期待をしていると、物語は更なる大きな事態を迎える。すると、さっきの問題に構っている暇はない!と言わんばかりに先ほどのサスペンスは棚上げにされてしまう。確かに緊急事態が起こったのは事実だが、二人しかいない状況下でのその展開は、人間の悲喜こもごもを描くのには不十分すぎるし、スケールの割にやっていることに深刻さを欠いてしまう。むしろ、二人しかいないその状況だからこその面白さ、そして二人しかいないというサスペンスをもっと膨らますべきだったのではないだろうか。これにはミスマッチなクライマックス演出してしまったとしか思えて仕方ない。宇宙船物である故のスペクタクルサービスだったのかもしれないが、ユニークな宇宙船内の設定もうまく活かせられれば、派手さはなくてもロマンス、サスペンスのどちらに転んでも作品のバランスはもっと良かっただろう。

とは言え、美男美女の宇宙船でのロマンス、更に二人の絆を深めるためのスペクタクル的クライマックス演出として割り切って観れるのであれば、久々のハリウッド製デートムービーとして楽しめるかもしれない。

Ao-aO