「SF 宇宙移民船が事故で故障したら」パッセンジャー akkie246さんの映画レビュー(感想・評価)
SF 宇宙移民船が事故で故障したら
ネタバレあり。見ていない人は読まない方がいいです。
ソニーコロンビア製作。やけに壮大な宇宙もの。相当先の未来の話だが、重力発生装置の必要性などリアルな部分もあるのではと感じました。120年かけて光速の半分のスピードで一隻5000人ずつ宇宙移民をしている時代の物語。その時代は、宇宙移民はビッグビジネスになっており、移民たちは、冷凍睡眠と惑星間移動120年分の旅行代金をがっぽりとられる。
それでも地球に残って冒険のない人生を過ごすよりは開拓という夢にかける人間たちもいるのだ。もちろん、旅行会社の宣伝文句のせいもあるが。
そういうバックグランドについては、ほぼ口頭での説明だけで済ませている。上手い。登場人物は技術者の男、作家志望の女、コンピュータとアンドロイドとロボット掃除機くらいだ。冷凍睡眠中の乗客とクルーはいるにはいるが。
地球との連絡もとれない。時間がかかりすぎるのだ。自力でなんとかするしかない。
前半、中盤、後半と、テーマは変わるが、これはそのまま、地上の人生とも重なる部分はある。覚醒して一人でもがく時期、楽しい恋愛の時期、そして覚悟と目標を決めて人生をよりよく生きる時期。
機械だって万能ではないし故障もするし、隕石で穴のあく事もありうるだろう、訓練も受けていない人間が孤独に耐えられるかなど宇宙旅行に興味ある方は見るべき作品。また、現在の地球の問題がそのままあの宇宙船のようでもあり、素晴らしい映画だとおそれいりました。
私は、コールドスリープされた五千人の人々についてもう少し言及してほしかった気がします。90年を残して最初に起きた彼は、現代ならマンション管理人、もしくは警備員みたいな存在になるのだから。宇宙船の保安を守る義務がある。
あと、物語の重大な部分、彼女を起こすエピソードの必然性と偶然性をもうちょっとだけ考えてほしかった気もします。
それと船が走行中でも船外遊泳は可能なのか考えてしまった。宇宙空間だと可能なのかもしれない。