「実はSF版「タイタニック」だということに気づくと、面白くなる」パッセンジャー Naguyさんの映画レビュー(感想・評価)
実はSF版「タイタニック」だということに気づくと、面白くなる
プロット(筋)とキャラクター(人物設定)を分解してみると、実は「タイタニック」(1997)なのである。意識的に踏襲していることに気付いてあげると、がぜんオモシロくなる。
"豪華客船"で、"事故"が起きる。偶然乗り合わせたまったく"境遇の違う男女"が、"恋に落ちる"が、2人を待ち受けているのは"未来の危機"。互いを守りながら生存の道を探り、トラブルに立ち向かう。
実は、このキャメロン展開(笑)は「アバター」(2011)でも使われている。つまり世界に愛される王道ラブストーリーなのだ。だからこそ、このお約束の脚本は、きっと様々な結末を用意していたはずだ。
「タイタニック」のように彼女だけが生き残るか、「アバター」のように別の決断をさせるか。2人とも死んでしまえば、「ロミオとジュリエット」になる。
結末は優等生的になまとめ方ではあるものの、やはり結末を見せないで類推させるのはどうかと思う。主人公に死を選択させても、もっと感動的なエンディングはできたはずで、ハッピーエンドにもなっていない。ならば前向きな悲劇にしていくことに意味はあった。
そんな残念なことがありつつも、この映画の見どころはジェニファー・ローレンス。ジェニファー史上、もっとも可愛い笑顔が見られる。たっぱがある彼女(175㎝)は、"孤高のオンナ戦士"や"青いカラダの超人"の強いイメージもいいが、可憐で美しく、ファン垂涎のかわいいジェニファー満載である。
「ゼロ・グラビティ」(2013)後のフォロワー作品は、無重力感の演出、事故による衝撃や振動など、3D前提で作られているばかりでなく、4D系のチューニングも十分に学習されている。ぜひ4D系3Dで真価を確認するべきだ。
(2017/3/24 /ユナイテッドシネマ豊洲/シネスコ/字幕:アンゼたかし)