「『サイレント・ランニング』のような雰囲気を連想させられる味わい深いSFドラマ」パッセンジャー よねさんの映画レビュー(感想・評価)
『サイレント・ランニング』のような雰囲気を連想させられる味わい深いSFドラマ
新天地の惑星を目指して120年間の冬眠状態となった乗客5000人を乗せた巨大宇宙船アヴァロン号。機械の誤動作で他の乗客より90年早く目覚めてしまったエンジニアのジムはなんとか冬眠状態に戻ろうと試みるがどうすることも出来ない。1年が経ち孤独に耐えきれなくなったジムは冬眠中の乗客の1人、オーロラの美貌に惹かれてしまう。船内に残されていた彼女の映像データや彼女の寝顔を眺めているだけでは我慢出来なくなったジムは悩みに悩んだ挙句に彼女の冬眠装置を停止させて蘇生させてしまう・・・からのSFサスペンス。
アヴァロン号のデザインが非常に美しく、それがゆえに宇宙空間に取り残された2人の孤独が際立ち後半のスリリングな展開が映えるわけですが、宇宙船クルーも冬眠している船内で黙々とドローンが作業している光景がダグラス・トランブルの『サイレント・ランニング』のような60~70年代SF映画の醸す雰囲気を連想させます。全てを語らない味わい深いエンディングの余韻も印象的です。
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