「キアヌ無双」ジョン・ウィック 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
キアヌ無双
ロシアンマフィアに亡き妻が遺してくれた愛犬を殺された元殺し屋の復讐!
久々にキアヌ・リーヴスのカッコよさと冴えたアクションが炸裂!
それにしてもキアヌの映画人生も面白いもんである。
最初は専らインディーズ作品が多かったが、『スピード』の大ヒットで一躍人気スターになるもその後作品に恵まれず、『マトリックス』で再び熱い視線を集めるもまた作品に恵まれず、『コンスタンティン』で健在ぶりをアピールしたのも束の間またまた作品に恵まれず、怪作『47RONIN』を経て本作。
ハリウッドスター数いれど、こうも山あり谷あり、浮き沈み激しいキャリアはキアヌの他そうそう居ないのでは?
雰囲気はダークでスタイリッシュでいいが、話ははっきり言ってB級リベンジ活劇。
動機も単純。
犬を殺されてプッツン!
一歩間違えればギャグ。
でもでもでも、待たれ!
たかが犬、されど犬。
亡き妻との唯一の繋がりを無情に奪われたのだからただでは済まない。
もう失うものも何も無い。
しかも相手は、ジョンの車を盗み奪おうとして、犬を殺した同情の余地ナシの馬鹿野郎。
ジョン、情けなんていらねぇ!殺っちまえ!
カンフーと銃アクションを融合させた“ガンフー”。
これが評判通りの、目の覚めるようなアクション!
素早い動き、キレッキレ、瞬殺!
にしても、強ぇ~!
『マトリックス リローデッド』では100人のエージェント・スミスを相手にしてたけどあちらはCG、こちらは生身、ここまでのキアヌ無双は初めてかも。
さすがに傷付いたりピンチに陥ったりするけど、そこがスティー○ン・セ○ールと違う。
やっぱりキアヌもアクション派だね。
イアン・マクシェーン、ウィレム・デフォー、ジョン・レグイザモ…通なクセ者たちがキアヌの覚醒をバックアップ。
“この子にしてこの親”マフィアのボスとそのバカ息子、女殺し屋、始末屋、掟が絶対のホテルのマネージャーに冷静沈着なフロント係…サブキャラたちもなかなか際立っている。
それから、“助演女優”デイジー。
出番は序盤ちょっとなんだけど、その愛らしさにメロメロ。
あんなに人懐こくて、お利口で、大人しいワンちゃん、欲しい!(笑)
奴らは、とんでもない奴を怒らしてしまった…!
結構こういう展開は、ワクワク、ゾクゾク!
俺の流儀に反した奴らは、俺流のやり方で、俺なりにケジメをつけさせる!
孤高のキアヌに、フィルム・ノワールや劇画や任侠映画の漢を見た。
興行・批評共に成功し、続編が決定。
例え『2』がまた好評を博しても、いつも通りその後スランプがあるかも…。
そうだとしても、我々は不死鳥キアヌのカムバックを待っている!