「『マトリックス』以降パッとしなかったキアヌ先輩の新たなる代表作」ジョン・ウィック よねさんの映画レビュー(感想・評価)
『マトリックス』以降パッとしなかったキアヌ先輩の新たなる代表作
ロシアン・マフィアのドラ息子がガソリンスタンドで見かけた69年製ムスタング欲しさに家宅侵入し飼い犬を殺してボコボコにした相手が、最愛の妻を亡くし妻からの贈り物だった愛犬とともに悲しみを乗り越えようとしていた、お父さんも恐れる伝説の元殺し屋ジョン・ウィックさんでした、という非常に解りやすいストーリーの上に、ブルーを基調とした冷たい映像の中で至近距離・中距離からの射撃と格闘術で瞬殺された悪党達の亡骸がスピーディに積上げられる快作。
キアヌ先輩が次々に繰り出す『ザ・レイド』以降のアジア映画からの影響が顕著な、残虐かつ流麗な殺人スキルにアクション映画におけるパラダイムシフトも感じつつ、『マトリックス』以来ピンとこなかった先輩のフィルモグラフィに鮮やかな光沢が蘇ったことがなにより嬉しいです。出番こそ少ないものの怪優ジョン・レグイザモとウィレム・デフォーの漢気溢れる印象的な好演で画面もぐっと引き締まっています。
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