「理屈抜きにガンフーに酔うべし!」ジョン・ウィック ao-kさんの映画レビュー(感想・評価)
理屈抜きにガンフーに酔うべし!
これは見る映画ではなく、魅せる映画だ。華麗なアクションに酔いしれた者ほど本作の魅力を味わえる。故にストーリーを単純にしたのは正解だ。敵が襲ってくる度に次はどんなアクションが見られるのか、難しい理屈を抜きに自ずと期待が高まってくる。
しかし、“ガンフー”とはよく考えたものだ。銃を撃ち、蹴りを入れ、最後に頭にとどめの弾丸を喰らわす。アジア人が演じる銃撃戦や欧米人が演じるカンフーシーンに違和感を覚えるが、北欧系とアジア系の血を引くキアヌ・リーブスはその両方が様になる。雑魚をバタバタと片付け、復習の鬼となって組織に立ち向かうその姿は何と痛快なことか。
この手の作品は孤立無援で強大な組織相手に無謀な闘いを挑むのがセオリーだが、本作では組織内での義理と人情が交わってくる。人物描写は深くないが、逆にそれが組織の淡白さを表現し、物語展開をスムースにしているのだ。
こんなアクションは不可能だ!リアリティがない!そんな否定的な声も聞こえてきそうだが、むしろ魅せる映画はこのくらい単純で、とにかく痛快で、惚れるほどカッコ良いくらいが丁度良い。
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