「再び、裏の世界が血に染まる」ジョン・ウィック ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)
再び、裏の世界が血に染まる
キアヌ・リーヴス新シリーズ始動ッ!今回は無敵の殺し屋だッ!奴の名はジョン・ウィック!
紹介しよう!「地上最強の殺し屋ジョン・ウィック。彼を何人たりとも怒らせちゃならない。敵に回しちゃならない。ひとたび彼のターゲットになったのなら、待っているのは“死”あるのみ」という、少々大仰なキャラクター像に強烈に惹きつけられるッ!いやいやそんなに強いのかよッ!そんなに怖いのかよッ!と。だけど現在の彼は殺し屋稼業をすっかり引退しているぞッ!良かったねッ!
で、そういう場合、再び仕事を頼まれて、すったもんだあって、じゃ仕方なく現場復帰ッ!みたいな乞われパターンが大体この手の映画には多いんだけども、この『ジョン・ウィック』に限ってそれは有り得ないッ!裏社会の人間さえもがその余りの殺人スキルに恐れおののき、戻ってくることを望んでいないのだからッ!関わりたくない的なッ!触れたくない的なッ!嘗ては彼を部下として使っていたロシアンマフィアのボスさえも、復活を歓迎しない腫れもの状態ッ!
だけど戻ってきちゃったよッ!という。理由は復讐だよッ!という。
ターゲットはボスの息子だよッ!ってんだから、組織震撼。ビビリまくり(足を洗った部下をビビるボスってのも面白い構図ですよね)だぞッ!そのボスのバカ息子が伝説の殺し屋とは知らずに彼の家を不法侵入。車盗んで彼の愛犬殺しちゃったもんだから、ターゲット認定されちゃったッッッ!!!
バカ息子の尻ぬぐいに組織総動員でジョン・ウィックを迎え撃つしかないッッッッ!!!!というのが、お話の中心でございます。なんか面白そうでしょ?いや実際面白くてね。
まず、この映画を語る上で外せない成分が、独特の戦闘術なんですが、ガンアクションとカンフーを融合させた「ガン・フー」というやつです。これをキアヌがバシバシキメて敵をバンバン殺っちゃう。弾の無駄遣いがないんですよね。一発撃てば殆ど確実に殺す。顔面発砲当たり前。ナイフも使っちゃうし体捌きでも殺しちゃう。鉛筆も使っちゃう(らしい)。このアクションにね、もう痺れちゃうんです。もっとやってくれ!もっと魅せてくれ!と。
でも、んー、それは間違いないんですけども、それだけでマフィアが震え上がる男、というには余りに説得力に欠けてて。意外にも人間臭く苦戦するんです。大怪我もするし。そんなに「無敵の男」と言う訳でもなくて。おまけに正攻法真っ向勝負で敵の陣地へ真正面からカチコミかけるし。それプロの仕事とは呼べなくね?となって。しかしまあその理由というか、案外すんなり判明します。皆が恐れる所以は、彼をサポートする側の圧倒的な層の厚さにもあるんですよね。信頼関係というか、リスペクトというか、信奉者の援助で彼は支えられてるんですね。それプラス、殺そうとしても全く死んでくれない恐るべき強運のオーナーでもあって。ジョン・ウィックを取り巻く全ての要素が絶対的な“恐れ”を形作ってるという。
まあ百聞は一見にしかずですな。兎にも角にも劇場に足を運んでもらってね、体感しちゃってください。
ジョン・ウィックの殺人スキルを見逃すなッッッッッ!!!!!