「安楽死といえばドクターキリコ。犯人が勝手に描く未来予想図はア・イ・シ・テ・ルの言葉の代わりじゃない!」ブレイン・ゲーム kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
安楽死といえばドクターキリコ。犯人が勝手に描く未来予想図はア・イ・シ・テ・ルの言葉の代わりじゃない!
元々は『セブン』(1995)の続編として考えられた企画。いやはや、アンソニー・ホプキンスが製作も務めるって段階で『羊たちの沈黙』のレクター博士にそりゃ似てくるでしょうよ。超能力者のみならず、医者でもあるってところで、白血病だったエマはどうだったんだろうな?とずっと疑問に思ってた。
コリン・ファレルも出演者としてクレジットされてるので、最初はFBIの捜査官なのか~、それにしては老けたな。と、ジェフリー・モーガンに似ているんじゃないかと感じてしまいました。実際に登場する後半では、かなり若作り。え、若すぎるやろ!などと、ちょっと落ちぶれた風のファレルを想像していただけにビックリ。そして、ホプキンスの相棒として活躍するアビー・コーニッシュも素敵でした。
時折挿入されるフラッシュバック映像がきれい過ぎる。と感じたのは前半部分。徐々に不明瞭でもやもやしてて、暗い映像ばっかりになったのも、最後の台詞にある「ずっと美しいものなんてない。いつかは老けていく」に被らせてたような気がします。十字架やらATTICUSという文字、そして螺旋階段の俯瞰図がとても印象的です。
安楽死にしても、患者が直接「殺してくれ」と頼むわけじゃなく、犯人が勝手に未来を予測してしまって、勝手に殺す。本人の意思とは無関係なんだけど、首の後ろにでかい釘を刺して即死させるところがニクイ演出。また、連続殺人を追う中で、全く無関係と思われる猟奇殺人事件も発生してしまうが、それも犯人の未来予想図に利用させて、手を下さずに新たな殺人を行うという超頭脳の持ち主だったとわかるのだ。この辺りは素晴らしい発想。
病気は末期がんやALSやHIV、そして精神疾患。ただ、やっぱり不治の病の患者には近親者の判断が必要だと思う。安楽死に関しても考えさせられるし、直後の未来を予知するスリリングな展開もなかなか良かった。犯人が言う「これに見覚えは?」のポーズは十字架を思わせるのだが、なんとなくマイケル・ジャクソンを思い出したことは秘密です・・・