「深淵な闇」ブレイン・ゲーム Raspberryさんの映画レビュー(感想・評価)
深淵な闇
助かる見込みがない人が激しい痛みに苦しみ、死ぬまで楽にしてやれないのなら、いっそ死を早めてでも苦しみを和らげてやりたい。という衝動を人類は誰でも持ち合わせている。
しかし、人は神ではない。神でない限り人が人の命を奪うという原罪への抑圧が、我々の内部で強烈に発動する。生の衝動と死の衝動の激烈な戦い。この「抑圧」こそが人類の特性だろう。
見ず知らずの者が苦しむ姿を幻視したサイコ野郎のコリンファレルと、愛娘が苦しむ姿に耐えられない父親のアンソニーホプキンスの眼差しに、果たして差異はあるのか。
とうてい結論の出ない「闇」に入っていかざるを得ないテーマである。
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