「『獣たちの墓』」誘拐の掟 とんぺーさんの映画レビュー(感想・評価)
『獣たちの墓』
小説 探偵マット・スカダーシリーズの一作、『獣たちの墓』が原作のクライムサスペンス映画。
ストーリーは骨太、演出やキャストの演技も素晴らしい。行き過ぎた悪役や、ヒーロー気取りの探偵の物語ではなく、アルコールとコカインに依存してもなお、みっともなく生きようとする20世紀末の人々の話だった。
主人公のスカダーは、過去に闇を抱えた元刑事で、文明に取り残された、説教くさいオヤジである。彼は彼の人生論のもと生きてるつもりだが、トラウマに取り憑かれたままの彼は、事件に振り回されてしまう。事件解決までのプロセスは、彼のトラウマ解消のプロセスでもあった。
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