「物置のピアノ」物置のピアノ njbkenjiさんの映画レビュー(感想・評価)
物置のピアノ
2時間近い長い映画であるが、淡々と福島の農村の風景と家族を温かい眼差しで描いているのに、長いとは感じさせられなかった。私は福島に住んでいるのだけれど、自分が住む見慣れた景色を改めて美しいと感じた。
どこにでもいそうな姉妹だが、姉の強く前向きの性格ゆえに2人の間にはっきりとした緊張関係があり、周囲から地味とされてしまう主人公の高校3年の春香は夏になっても自分の進路を決められないでいることを伝えるところから映画は始まる。2人を取り巻く家族もどこにでもいそうな家族であることが、こんな少女は自分の身近にもいるように感じられて、すっと映画に入っていけた。
けっして自分を出さない春香であるが、少し気になる男子の転校生を部員の少ない吹奏楽部に誘う時だけは、自分の殻をを破っていたが、そんなひたむきさも、殻にに閉じこもる内面も、芳根京子はも初々しく、そして可愛らしく演じきっている。
どこか面影が似ている堀北真希のようにブレークするのではないか。きっとその出発点となるであろう芳根京子を見るだけでも、十分に観賞の価値があると思う。
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