「近代パートは無い方が良かったのでは。」海難1890 好きこそモノのヘタレなれさんの映画レビュー(感想・評価)
近代パートは無い方が良かったのでは。
なんともチグハグ、な印象が残念な一本。
大晦日、2015最後の観納めがコレで非常に悔いが残る。
国境を越えた人情噺、そこは良かったし。
歳を喰って西田室長バリに涙腺が弱くなったとはいえ、やはり泣けた。
その部分に関しては、力作だと思う。
ただ物語としては、映画としては如何なものだろうか。
日本が舞台の過去パートと、トルコの助けが描かれる近代パートで出来ているのだが。
その間に一切架け橋となる表現が無いのが非常に気になった。
いちいちお互いの交流の歴史が、とか説明して欲しい訳では無いが。
この作品の描き方では登場者が同じの、全く別の話ではないか。
それならば。
「いざという時、日本という国は官民共に国外の同朋を助けない」
ということしか伝わらなかった近代パートは要らなかったのでは?
トルコが助けてくれた事実は事実。
ただ映画的嘘でもいいから「かつて日本という国が助けてくれたから」と、前半で描いた過去を繋げていれば、もっと映画的に良かったのではないか。
この映画を観て感じたのは「恩も義理もないんだ」ということばかりなのが残念。
両国の交流の訳も意義も、この作品からは伝わらなかった。
最後の最後にわざわざメッセージをくださったトルコ大統領に、日本人の一人として申し訳ない作品。
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